認知症予防の最前線。脳を衰えさせない習慣は3つ。運動、知的活動、コミュニケーション

イラスト:小林マキ

昨日会ったばかりの人の名前を思い出せない。友達とのおしゃべりで何度も同じ話をしてしまう。いつもの場所に置いたはずのカギが見つからない――。こんなことが続いたら、脳の衰えのサインかもしれません。認知症を予防するための最新情報を紹介します(イラスト/小林マキ 取材・文・構成/岩田正恵《インパクト》 デザイン/米山和子《プッシュ》)

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脳を衰えさせない習慣、1つ目は運動

脳を衰えさせないためには、3つの習慣がポイントになる、と浦上先生はアドバイスします。

1つ目は運動です。

「運動をすると、神経細胞を活性化させるBDNFという物質が増え認知機能を高めるとともに、筋力が維持されるため、転倒や寝たきりの予防にも効果的です。ウォーキングがおすすめですが、歩きすぎると筋肉のもととなるアミノ酸が分解され、かえって筋力が落ちてしまうことがわかっています。歩数は1日7000歩までにとどめ、スクワットなどの筋力トレーニングを組み合わせて行うようにしましょう」

2つ目は知的活動、3つ目はコミュニケーション

2つ目は、知的活動です。

「新しいことにチャレンジすると、神経細胞が脳内に新しいネットワークをつくります。このネットワークの種類が多く範囲が広いほど脳が衰えにくくなるのです。認知機能には、記憶力や注意力をはじめとする8種類があるため、さまざまなことにチャレンジして、まんべんなく鍛え、脳内にネットワークを張り巡らせましょう」

3つ目は、コミュニケーション。

「コミュニケーションは、相手の声や表情、しぐさから意図を汲み取り、考えて答えるといったように、脳をフル稼働させます。買い物ついでにお店の人に話しかけるなど、よく知らない人との会話のほうがより効果的です」

次回からは、対策についてさらにくわしく紹介します。

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