[党首走る]公明党・石井代表、逆風下で就任直後の大一番に臨む…自身も初の小選挙区に挑戦

 今年9月、15年務めた山口那津男・前代表から党トップの重責を引き継いだ。新代表就任の直後ながら、大一番の選挙戦に臨む。

手でハートマークを作って撮影に応じる公明党の石井代表(18日、埼玉県三郷市で)

 「比例重複せず、小選挙区一本で戦っている。勝ち抜かなければお役に立てない」。18日、埼玉県八潮市の街頭演説で懸命に訴えると、足早に選挙カーに乗り込み次の演説に向かった。

 今回、比例選から事実上の“落下傘”候補として埼玉県内の小選挙区に転出。初の小選挙区選で、代表として「全国11小選挙区の完全勝利」を掲げる以上、自身も負けられない戦いに直面している。まず自身の選挙区を固めたうえで、選挙戦後半で全国遊説を展開する戦略を描く。

 洋服の仕立て屋を営む父の背中を見て「真面目に働く人が報われる社会を作りたい」と、旧建設省を飛び出し政界入りした。「堅いと言われる」と自虐するが、実際に性格は堅実だ。午前4時に起床して餅入りのみそ汁で一日を始めるのが日課で、会食を好まず、代表就任後も昼食は自らコンビニに並んで買い込む。

 政治資金収支報告書に不記載があった自民の前議員らを推薦した党に対する風当たりは強い。「政治改革の先頭に立つ」と党の旗印でもあるクリーンさを訴えるものの、その矛盾を指摘する声もある。逆風の中、代表として初の政治決戦にがむしゃらに挑む。(政治部 森山雄太)

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