細田健一氏、新潟2区に無所属で出馬表明…自民県連は独自推薦へ

 次期衆院選(15日公示、27日投開票)で自民党が非公認と決定した細田健一氏が10日、新潟県燕市内で支援者との会合を開き、新潟2区に無所属で出馬すると表明した。同党新潟県連は細田氏を独自に推薦することを決定した。

報道陣の取材に応じる細田氏(10日、燕市で)

 「非常に厳しい戦いになり、支援者に大変ご迷惑をかける。一晩考えたが、一人でも応援してくれる方がいるなら出るべきだと決断した」。細田氏は会合後、報道陣の取材に応じ、落ち着いた口ぶりで語った。

 この日の会合は、衆院が解散した9日に非公認が決まったことを受け、急きょ午前8時からの開催を決定。陣営幹部や後援会関係者ら60人ほどが出席した。

 出席者によると、会合では細田氏が涙ぐむ場面もあった。支援者の一人は「ピンチだからこそ応援したくなった」と話した。

 細田氏は10日、県連の会議でも無所属で立候補する意向を示した。これを受け、県連は同日付で推薦を決定した。会議は細田氏への支援について話し合うために開かれ、県連幹部のほか、2区のエリアで選出された地方議員も出席した。

 岩村良一幹事長は「県連が推薦すれば、有権者や党員に安心感を与えることができる」と狙いを語った。県連は公明党県本部に対しても、細田氏を独自に推薦するよう働きかけている。

 細田氏が無所属で出馬する見通しとなったことについて、2区で同氏と対決する立憲民主党の菊田真紀子氏は「すべての『裏金議員』は公認されるべきではなく、選挙に出る資格はない」と批判した。

 一方で菊田氏は、自身が無所属で出馬した際の経験に触れ、「細田さんを慕う人が結束してくる。楽観視はできない」と気を引き締めていた。

 2区は細田氏、菊田氏のほか、日本維新の会の井上基之氏も立候補を予定している。

 自民党派閥の政治資金問題を巡っては、細田氏のほか高鳥修一氏(新潟5区)も政治資金収支報告書に不記載があった。県関係議員では両氏が党から戒告処分を受けたが、非公認となったのは細田氏だけだった。

自民県連で支部長らが会議、支援方針を確認

 自民党県連は10日、衆院選に向けて新潟市内で支部長・事務局長会議を開き、新潟2区は無所属で立候補する細田健一氏、ほかの4選挙区は党公認候補の当選を目指す方針を確認した。

 県連会長の佐藤信秋参院議員は冒頭のあいさつで、「5戦全勝ということでご支援をお願いしたい」と呼びかけた。

 また、岩村良一幹事長は、新潟4区で党の公認を得られなかった前議員の泉田裕彦氏が立候補の意向を示していることに触れ、党本部に候補者調整を要請したことを報告した。

 岩村氏によると、県連は今月、党本部に対し「混乱が起きるので、不利益が生じないように適切に対応していただきたい」と申し入れたという。

 会議は約150人が出席し、冒頭のみ報道陣に公開された。

「厳しい戦い、ベスト尽くす」…細田健一氏一問一答

 細田氏と報道陣の主なやり取りは次の通り。

 ――無所属での出馬を決断した理由は。

 「新潟のために、自分のためにやらなくてはいけないことがある。そして支援者の方が、がんばれと言ってくれた。その二つだ」

 ――出馬しない選択肢はあったのか。

 「大変厳しい戦いになる。支援者の方に大変なご迷惑をかける。正直、出るべきかどうか思い悩んだのは確かだ」

 ――無所属の活動でどのように有権者にメッセージを届けるのか。

 「今まで以上にいろんな活動を、私自身が積極的にやる。一人一人に訴えを届けることに尽きる」

 ――党に対する不信感もあるのではないか。

 「私は自民党に育てられた人間。非公認は受け入れなくてはいけない。その中でベストを尽くす」

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