立民代表選、党綱領の「原発ゼロ」巡り温度差…「段階的に」「一日も早く」

 立憲民主党代表選(23日投開票)では、原発との向き合い方も争点になっている。党綱領には「原発ゼロ社会」が明記されているが、実現に向けた道筋を巡り、各候補の主張に違いが表れている。

討論会で議論を交わす(左から)野田佳彦・元首相、吉田晴美衆院議員、泉健太代表、枝野幸男・前代表(16日、札幌市で)

 16日に札幌市で開かれた候補者の共同記者会見で、野田佳彦・元首相(67)は、エネルギー政策に関し「『原発ゼロ』が基本だ」としつつも、「現実的な計画を立てていくのが責任ある政党だ」と述べ、再生可能エネルギーへの移行を、段階的に進めていくべきだとの考えを示した。

 枝野幸男・前代表(60)も、「『原発ゼロ』という表現は明日にでも実現するかのような誤解を一部の方に与える」と指摘。泉健太代表(50)は「理想は高いところにあるが、常に安定供給を途切れさせてはならない」と訴えた。

 「原発ゼロ」を巡っては、共闘を模索する国民民主党や産業界などから「非現実的だ」などと疑問視する声が出ている。党内には、「政権交代を見据え、現実的な政策を提案すべきだ」との意見も一定数ある。

 一方、党内には「『原発ゼロ』の看板を曖昧にすることは党の存在意義に関わりかねない」との声も根強くある。脱原発への決意を前面に打ち出すのは吉田晴美衆院議員(52)だ。吉田氏は16日の共同記者会見に先立って札幌市内で行われた候補者討論会で、「一日も早く、原発に依存しない日本を作っていきたいという強い思いがある」と強調した。

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