都議補選で「与野党対決」、次期衆議院選挙の試金石に…自民幹部「都知事選より党勢が反映される」

 与野党が、終盤戦を迎えた東京都議補欠選挙(7日投開票)の対応に注力している。「与野党対決」の構図となる選挙区が多く、結果が次期衆院選の行方を占うとみているためだ。

自民 党幹部・閣僚を投入…立民・共産 すみ分け戦略

 「我が党に大変厳しい声が寄せられている。二度と問題は起こさない決意で改革を進めたい」

(左)街頭演説を行う自民党の茂木幹事長(4日、東京都府中市で)、応援演説する立憲民主党の岡田幹事長(4日、東京都足立区で)

 自民党の茂木幹事長は4日、府中市の駅前でマイクを握り、自民派閥による「政治とカネ」の問題を受けて謙虚な姿勢を強調した。

 終盤戦に入ってから、自民は党幹部や閣僚らによる応援が目立っている。茂木氏はこの日、北区の候補の応援にも駆けつけた。6日は中野区に入る。知名度が高い高市経済安全保障相、河野デジタル相、石破茂・元幹事長らも投入され、党を挙げた戦いぶりだ。

 自民は今回、9選挙区のうち8選挙区で候補を擁立した。うち6選挙区が国政での与野党対決の構図となっており、4勝以上を勝敗ラインに設定している。党幹部は「同日投開票の都知事選より党勢が反映される」(党幹部)として、都議補選重視の姿勢を強調する。

 もっとも、自民に逆風が吹く中で、候補の応援を強化すれば自民色が前面に出て不利に働きかねないとのジレンマも抱える。

 派閥の政治資金規正法違反事件で批判を浴びた安倍派の萩生田光一・前政調会長の地元の八王子市では、小渕優子選挙対策委員長が駆けつけた6月中旬の集会を非公開とした。石破氏ら人を集められる弁士を招いたのも非公開の個人演説会だった。自民候補の陣営関係者は、「無党派層の支持より、今回は自民支持層を固めるのが第一だ」と語る。

 一方、都知事選で連携する立憲民主、共産両党は都議補選の計7選挙区で「すみ分け」を行い、反自民の票を取り込もうとしている。

 自民とは異なり、都知事選と連動した戦いを進めており、立民の岡田幹事長は4日、足立区内で「7日に大事な選挙が二つある。都知事選と都議補選だ」と訴えた。共産の小池書記局長も4日、北区の街頭で「知事を代え、(都議会で)知事与党議員を増やせば都政を変えることができる」と述べ、立民出身の都知事選候補の名前を15回出して支持を呼びかけた。

 日本維新の会は、共産と競合する2選挙区で候補を立てており、反自民票を奪い合う展開となっている。

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