東京都議補選、9選挙区で告示 逆風の自民、第一会派入れ替わる可能性も

東京都の江東区、品川区、中野区、北区、板橋区、足立区、八王子市、府中市、南多摩(多摩市、稲城市)の9選挙区の都議補選(各欠員1)が28日、告示され、計30人が立候補した。都知事選と同日の7月7日に投開票される。結果次第では第一会派が入れ替わる可能性があるとともに、国政への影響が注目される。

都知事選で3選を目指す無所属現職の小池百合子氏(71)を支援する自民党は8人、都民ファーストの会は4人を擁立。自民は小池氏支持を打ち出すことで、補選での都ファとの選挙区調整を狙ったが、3選挙区で対決することになった。

都議会で自民は27議席の第一会派、都ファは25議席の第二会派。結果次第では第一会派が逆転する可能性がある。

派閥パーティー収入不記載事件で渦中の自民には逆風だ。補選が行われる9選挙区のうち、八王子は自民都連会長でもある萩生田光一前政調会長、板橋は下村博文元文部科学相の地元。事件で取り沙汰される2人から有権者の目線をそらすのは難しく、自民都連幹部は特にこの2選挙区で「相当の逆風を感じる」と漏らす。自民中堅都議も「事件以来、都内の自民組織はボロボロだ。まともな選挙ができない」と嘆く。

一方の都ファ候補には小池氏が応援に入ることを模索。都知事選との相乗効果で「第一会派を狙える」(都ファ幹部)と意気込む。

小池氏支援側で微妙な関係が生じる中、堅実な戦略なのが共産(19議席)と立憲民主(15議席)の両党。都知事選で無所属新人の蓮舫氏(56)を支援する両党は、共産4人、立民3人を競合なしの7選挙区で擁立し、「蓮舫氏の存在感を強調しながら議席を獲得したい」(立民関係者)としている。

補選の結果が国政に影響を与えるとの見方は多い。仮に自民が候補者8人の大半を落とせば「沖縄県議選で出てきた勢いがしぼむ」(自民都連幹部)としており、衆院解散のタイミングを左右する可能性さえある。

都選挙管理委員会によると、同じ日に9選挙区で都議補選が行われるのは、記録が残る限り過去最多という。

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