都議補選、支持者に頭下げる安倍派元幹部…野党候補は政治資金問題で自民批判

 28日に告示された東京都議補欠選挙。自民党派閥の政治資金規正法違反事件を巡り、党の処分を受けた安倍派元幹部らの地元でも、舌戦が始まった。自民候補の応援に駆けつけた元幹部らは支持者に頭を下げ、野党候補は批判を強めた。

 「国政の問題が都政、補選に影響していることを申し訳なく思う」。下村博文・元文部科学相は地元・板橋区選挙区から出馬した自民の河野雄紀候補(54)の出陣式でそう陳謝した。

 元安倍派事務総長の下村氏は、1年間の党員資格停止処分を受けた。河野候補は「信頼を失ったかもしれないが、日本、東京、板橋のかじ取りをできるのは我々だ」と訴えた。

 日本維新の会の津田郁也候補(26)は第一声で「政治とカネ」に触れ、「今こそ政治は変わらないといけない」と主張。応援に入った音喜多政調会長も「自民は全く反省していない。しがらみのない新しい政治家が新しい政治を行うしかない」と自民批判を展開した。

 共産党の竹内愛候補(47)は区議時代に自民を追及したことをアピール。田村委員長も演説に立ち、「都知事選とともに、裏金の自民党による行き詰まった政治を続けるのか、希望ある政治に動かしていくのかが問われる選挙だ」と訴えた。

 他方、地域政党・都民ファーストの会の渡辺義輝候補(36)は第一声で、「国政の代理戦争で都知事選や都議補選を語り、政治を私物化するのは一体誰なのか」と与野党対決の構図に持ち込もうとする動きをけん制。「開かずの踏切」の問題など地元の課題に取り組む姿勢を強調した。

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候補者の演説を聞く人たち(28日、東京都八王子市で)=安川純撮影

 八王子市選挙区は、1年間の党の役職停止処分を受けた萩生田光一・前政調会長の地元。自民の馬場貴大候補(45)の第一声に駆け付け、「逆風の中の選挙となってしまった。馬場候補にも仲間にも申し訳ない」と陳謝した。対抗馬の諸派・滝田泰彦候補(42)は「市民選挙」を掲げ、政党支援を受けない考えを表明した。

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