自民総裁選 「大きな爪痕」千葉の支援者ら小林鷹之氏たたえる 引きはがしで悔しさも

自民党の小林鷹之前経済安保相(衆院千葉2区)は、総裁選の初陣を飾れなかった。過去最多の9人が名乗りを上げる混戦で国会議員票も党員票も分散したが、地元は「善戦した」「全国に大きな爪痕を残した」と奮闘をたたえた。

支持率0・1%からのスタートだった。小林氏は8月19日、9人の中で最も早く出馬を表明した。政策に明るいものの、当選4回で閣僚や党三役など要職経験に乏しく、全国的な知名度不足は否めなかった。それでも「脱派閥選挙を徹底する。旧派閥に対する支援は一切求めない」と改革イメージを印象付けてみせた。

街頭演説では、小林氏の愛称「コバホーク」を連呼する応援歌が流れ、陣営カラーのオレンジののぼりがはためく。旧来型の街頭演説とは異なる刷新感も演出することで、支持率はじわじわとアップした。

ところが、総裁選終盤になると、他の陣営が議員票の上積みを図るため、派閥領袖らに接触する「派閥回帰」の動きが相次ぎ、他陣営から支持先を考え直すよう求める「引きはがし」もうごめいた。

「昔の自民党に戻ろうとする動きがある。そんなの絶対にありえない。自らの意思で投票してもらいたい」。投開票日直前の26日夕、地元・千葉市花見川区内でマイクを握った小林氏はこう牽制したが、投開票当日、小林陣営の議員票は41票で、「コアな支持議員」だけが残った。ピーク時は60票程度の議員票を見込んでおり、一部が引きはがされたようだ。陣営関係者は「結局、他陣営から刈り取られるばかりだった」「議員票はもっと獲得できたのに…。悔しい」との声が漏れた。

とはいえ、小林氏を応援してきた地元は善戦をたたえる。川村博章県議(千葉市花見川区)は「最後までブレなかった。次への芽が残った」と話す。茂呂剛県議(八千代市選挙区)も「残念だが、全国に存在感を示すことができてよかった。残した爪痕は大きい」と語った。

「小林鷹之八千代市後援会」の綱島照雄会長はこう答えた。「千葉2区から全国区への足がかりとなった。上のステージに向けて支えたい」(岡田浩明)

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