女性初の首相の意欲ささやかれる小池百合子都知事「女性候補が普通になりうれしい」総裁選

東京都の小池百合子知事は27日、都庁で報道陣の取材に応じ、自民党の新総裁に選ばれた石破茂元幹事長について、「とても誠実な方だ。粘り強さがある」と称した。一方、女性総裁誕生とはならなかったことに「総裁選に女性候補が出馬することが普通のことになったのは大変うれしく思っている」と語った。

都知事就任後も国政復帰、女性初の首相への意欲がささやかれ続ける小池氏。首相への意欲を示すエピソードといえば、愛犬の存在だ。20年近く生活をともにし令和3年に死亡したヨークシャーテリアの「ソウちゃん」の名前は、総理大臣に由来するとされる。

自民衆院議員時代の平成20年、総裁選に女性として初めて出馬した小池氏が最も首相の座に近づいたのは、平成29年の衆院選直前だろう。同年夏の都議選で都民ファーストの会を率いて躍進した小池氏は、自身の国政復帰を視野に同年9月、希望の党を立ち上げた。その後の世論調査で内閣の不支持率が支持率を上回るなど安倍晋三首相(当時)は厳しい状況に追い込まれ、自民内にも「政権交代の危機感があった」(自民国会議員)とされる。

ただ、小池氏は衆院解散直後の同年9月29日、民進党(当時)のリベラル派を希望の党から「排除する」と発言。公約策定や候補者選定に十分な時間を割けなかったことも影響し、〝小池新党〟に対する有権者の期待は急速にしぼんだ。都内選挙区で出馬を模索したとされる小池氏は都知事にとどまって選挙戦に臨み、希望の党は惨敗。女性初の首相の座は遠のいた。

女性初の防衛相、自民総裁選候補、都知事。長年、女性政治家のトップランナーと目されてきた小池氏だけに、高市早苗氏が惜敗した今回の総裁選は強く意識していたとみられる。小池氏の周辺からは「自分こそが女性政治家をリードしているという自負があるはずだ」といった声もある中、女性初の首相への望みをつないでいるのか。今後の一手が注目される。

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