米軍と関係深め中核担う 陸自水陸機動団、田﨑智也1等陸曹(37) 国民の自衛官 横顔⑤

島嶼(とうしょ)部が侵攻された際に奪回作戦を行うことから「日本版海兵隊」とも称される陸上自衛隊の水陸機動団(水機団)。平成30年3月に創設され、精強で知られる部隊において、味方の安全を確保しつつ敵に効果的な打撃を与えられるよう火力を誘導する「統合火力誘導」の専門家だ。

18年3月に自衛隊入隊後、水機団の前身部隊に配属され、3年目にレンジャー課程を修了。専門の統合火力誘導のほか、偵察用ボートで移動して目的地へ接近する水路潜入でも高い技能を持つ。多くの技能に通じ、周囲は「水機団の顔」と称賛する。

毎年のように日米共同訓練に参加し、米軍との関係を深めてきた。昨年6月には米軍教育施設で統合火力誘導の国際資格であるJTAC(統合末端攻撃統制官)専門課程を修了、今年2月には教官に認定された。必須となる英語は猛勉強で身に付けた。

日本の安全保障は日米同盟に加え、多国間協力が重要性を増しており、最前線で中核を担う。「JTACを持っていると、他国の部隊とのコミュニケーションが円滑に進む」と話す。

水機団の本拠地がある長崎県佐世保市の相浦駐屯地を離れ、大分県由布市の湯布院駐屯地で単身赴任中。休日は家族の待つ長崎に帰る日々だ。「妻の支えがあるから任務に集中できる」と感謝を口にした。(千田恒弥)

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