沖縄・宜野湾市長選、元市長の佐喜真淳氏の当選確実 辺野古移設容認

米軍普天間飛行場の返還手法や跡地利用などが争点となった沖縄県宜野湾市長選が8日投開票され、普天間飛行場の名護市辺野古移設容認の立場を取る元市長の佐喜真淳氏(60)=自民、公明推薦=が当選確実となった。急逝した松川正則前市長の路線継承を訴え、支持を広げた。投票率は53・27%(前回63・49%)だった。

午後9時45分ごろ、支持者らが集まる公民館に当選確実の一報が届くと拍手がわき上がり、花束を受け取った佐喜真氏は「志半ばで亡くなった松川(前)市長に当選を報告したい」と述べた。

玉城デニー知事を支持する「オール沖縄」が擁立した元市議、桃原功氏(65)=立民、共産、社民、沖縄社大推薦=は「普天間基地は即時撤去。辺野古『新基地』建設も即時中止を求めていく」と訴え、子育て政策や雇用創出などを掲げた。玉城知事が応援に入るなどして支持を呼びかけたが、及ばなかった。玉城県政に中立の立場を示す新人の会社社長、比嘉隆氏(47)も支持が広がらなかった。

6月の沖縄県議選では、辺野古移設に反対する「オール沖縄」勢力が大幅に議席を減らす一方、対抗する保守系勢力が16年ぶりに過半数を奪還しており、玉城知事の支持基盤がさらに揺らぐ可能性がある。

宜野湾市のかじ取り役を再び担うことになる佐喜真氏は、辺野古移設について「三権分立の司法において判断が下され、辺野古移設は法律的にも行政的にも合法であると認められた。やむを得ず認めざるを得ない」との立場を示していた。

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