日本新党出身、非世襲のたたき上げ 「夢は探検家」 自民総裁選出馬の茂木敏充氏

茂木敏充幹事長は、栃木県足利市にあった小さな分校から市内の公立高校に進み、東京大、ハーバード大院を出た後は外資系コンサルタントなど複数の民間企業で勤務した。平成5年に日本新党から衆院選に出馬して初当選し、7年に自民党に移った後は世襲議員とは異なる「たたき上げ」として重要閣僚や党の要職を歴任。視野に入った対象を瞬時に覚える「映像記憶」能力を持つとされ、知能の高さに定評がある。

有能ゆえに人に厳しいところがあり、かつては官僚から「瞬間湯沸かし器」と呼ばれたことがある。

「時間管理ができない」「携帯(電話)を池に落としてしまった」「意外と料理ができる」「ガーデニングが好き」

4日の出馬表明会見で親しみやすさを披露した背景には、イメージアップを重視する戦略も透ける。歴史好きな一面もあり、探検家になって王の墓を探すことを夢見るという。

岸田文雄首相や安倍晋三元首相とは当選同期で、首相就任は先を越された。安倍氏からは「(首相になるには)運と多少の人柄もある」と指摘されたことも。政府や党内の主要な役職をほぼ経験した茂木氏も今年で69歳。今回が最初で最後の総裁選出馬との見方もある。

茂木氏が領袖を務める茂木派(平成研究会)は、「今太閤」と呼ばれた田中角栄元首相の田中派が源流だ。田中氏と同じく地方から裸一貫で立身出世を果たした茂木氏は、頂点を極められるのか。(永井大輔)

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