岸田首相、政策推進で巻き返し 地方行脚も再開へ

岸田文雄首相(自民党総裁)は25日の党役員会で、「国会終了後は現場で政治、政策について(国民から)意見をうけたまわる機会が増える。私自身もそうした機会を増やし、課題に対する答えを1つ1つ示していきたい」と述べ、改めて政権運営への意欲を示した。党内では9月の総裁選に向け「岸田降ろし」のような動きも出始めたが、新たな物価高対策などの政策推進や実績アピールで巻き返しを図る構えだ。

首相は役員会で、憲法改正についても「先送りできない課題の最たるもので、力を尽くしたい」と強調。今後も閉会中審査などで条文化の具体的な前進を図るよう、党内に発破をかけた。

首相は25日、政権幹部らとも相次ぎ面会した。公明党の山口那津男代表との会談では、8~10月に実施する電気・ガス料金への負担軽減など、新たな物価高対策について説明。自民の麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長の3者で党本部に集まり、政権運営について意見交換した。

「地方行脚」も今週末以降、再開する考えだ。政策に関する視察のほか、総裁選も見据え、党員や地方幹部らと意見交換する場を設ける方向だ。能登半島地震から半年となる7月1日には、発災後3度目となる被災地訪問も予定している。

自民内では首相への風当たりが強まっている。派閥パーティー収入不記載事件をめぐり、菅義偉前首相は「首相自身が責任に触れず今日まで来ている」とネット番組で述べ、暗に退陣を求めた。若手や中堅からも公然と総裁選不出馬を求める声が出始めている。

ただ、首相は経済再生や憲法、復興など「道半ばの課題」に専念する姿勢を打ち出すことで「岸田降ろし」に対抗する構えだ。25日には岸田派(宏池会)所属だった武井俊輔、国場幸之助両衆院議員とも官邸で意見交換。武井氏は面会後、記者団に「(首相は)今後もさまざまな課題に取り組むことに大変意欲的だと改めて感じた」と語り、政権の実績アピールにも連携して取り組む考えを示した。

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