提出間もない教育長案を撤回…否決見通し、見送りの経緯も 枚方市長は「やることやった」

大阪府枚方市の伏見隆市長は空席となっている教育長に副教育長(66)を充てる人事案について、市議会への上程を断念した。24日、議会運営委員会で提出済みの人事案を取り下げると表明した。主要会派が反対姿勢で否決される見通しだった。伏見氏は改めて後任を選定するとしている。

同日の議会後、伏見氏は産経新聞などの取材に「教育行政の経験が豊富な方で、認めてもらえないのは理解できない。(事前に議会側に)説明し、やるだけのことはやった」と述べ、正当性を強調した。

教育長人事を巡っては、文部科学省出身で前任の尾川正洋氏(52)が今年3月末に辞職。伏見氏は3月議会にも、後任に副教育長を充てる人事案を提出する考えで会派へ事前に打診したが、「適性を欠く」などの理由で承諾を得られず、議会への提出を見送った。

一方で長期の教育長不在は好ましくないとして、正副議長と主要会派は6月4日、伏見氏に人事案の早期提出を求める要望をし、伏見氏も同14日の議運委に人事案を提出した。だが、3月議会で見送った人事案と中身が変わらず、主要会派が「議会軽視だ」と反発。半数を超える議員が反対するのは確実視されていた。

丹生真人(にふ・まこと)議長(公明党)は「十分な調整を経て確実な人事案を市長が提出するのが慣例。(今回)出すこと自体が間違っていた」と苦言を呈した。

伏見氏は地域政党「大阪維新の会」に所属。定数32の市議会は維新が10人で最大会派だが、過半数に満たない。(矢田幸己)

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