岸田文雄首相、自民総裁選出馬は明言せず 電気・ガス料金の負担軽減を表明

岸田文雄首相は21日、第213通常国会が23日の会期末を前に事実上閉幕したことを受けて記者会見し、「酷暑乗り切り緊急支援」として電気・ガス料金の追加の負担軽減策を講じるなど新たな物価対策を発表した。今国会での衆院解散を見送った首相は、9月の自民党総裁選で再選を目指し立候補するかどうかについては明言を避けた。憲法改正の具体的な条文化の作業を加速させたい考えを示した。

首相は「物価水準が高止まる中で、きめ細かな支援が必要だ」と強調した。

5月の使用分を最後に終了した電気・ガス料金の補助を、8月から3カ月間、復活させる。現行のガソリンなどの補助金の制度も年内に限り継続する。秋以降には、年金生活者や低所得者などを対象とする新たな給付措置も検討する方針だ。

首相は総裁選対応や衆院解散、内閣改造・党役員人事の可能性を問われ「先送りできない課題に専念しなければならない。結果を出す。これ以外については考えていない」と述べるにとどめた。一方、7月から秋の外交日程に触れた上で「準備も考えながら緊張感を持って外交、安全保障政策に取り組んでいく」と述べ、引き続き政権を担う意欲をにじませた。

改憲を巡っては、衆院憲法審査会で自民や公明党、日本維新の会、国民民主党など5会派が条文化を目指すことで合意している。首相は「極めて重要な一歩だ。さらに進めていただきたい」と述べた。これに関連し、21日の衆院憲法審幹事会で、自民は条文化作業に否定的な立憲民主党に対し国会閉会後も憲法審を開くよう提案したが、継続協議となった。

政治資金規正法に関しては、政党から議員に支給される政策活動費の年間の支出上限や領収書の公開方法、第三者機関の在り方などが決まっておらず、野党は「ザル法」などと批判している。首相は「早急に内容の具体化の協議を進めていく」と説明した。

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