リニア建設「20日にボーリング調査を再開」 JR東海社長、山梨県の長崎幸太郎知事に説明

JR東海の丹羽俊介社長が7日、山梨県庁を訪れ、長崎幸太郎知事にリニア中央新幹線計画の現状について説明した。この中で昨年10月からメンテナンスのため中断している山梨県内の南アルプストンネルでの「高速長尺先進ボーリング」調査を、「今月20日に再開する」と明らかにした。これに対し長崎氏は「しっかり調査をして先進坑、本坑の工事を1日も早く安全に進めてもらいたい」と再開を歓迎した。

トンネル予定地点の地質や地下水の状況を調べるボーリング調査について長崎氏は、先月24日の会見で「中断を長引かせれば(リニア事業の)本気度を疑われかねない」と苦言を呈し、早期の再開を求めていた。

さらに長崎氏はリニアを活用した地域活性化のビジョンを策定しているとして、JR東海が山梨県駅に「5分に1本、停車させたいと思えるように(地域の)魅力を引き上げたい」と語り、現時点では1時間に1本の停車となっている計画に対し、将来の停車頻度の引き上げを求めた。丹羽社長はビジョンの具体化に向け「実務者勉強会などの(県とJR東海の)協業を申し入れた」と話した。

会談後の報道陣の取材に対し、リニア静岡工区の着工を認めなかった静岡県の川勝平太知事の辞職に伴う知事選については、両者ともコメントを避けた。(甲府支局 平尾孝)

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