岸田首相と立民・泉代表、島根1区で火花 衆院3補選最終日

衆院3補欠選挙(28日投開票)の選挙戦最終日となった27日、島根1区に岸田文雄首相(自民党総裁)と立憲民主党の泉健太代表がそれぞれ入り、「最後の訴え」に臨んだ。3補選で唯一の与野党一騎打ちとなった島根は、岸田政権の行方を占う最重要選挙区だ。首相は自民派閥の政治資金パーティー収入不記載事件の逆風下で、26日に急遽(きゅうきょ)、告示後2度目となる島根入りを決め、てこ入れを図った。

「『保守王国』島根県の力で、何としても大逆転を果たさせていただきたい」

首相は松江市内で自民新人、錦織功政氏=公明党推薦=の応援演説に臨み、そう声を張り上げた。島根は小選挙区制導入以降、自民が議席を独占している。首相は、自民の細田博之前衆院議長や竹下登元首相らの名前を挙げ、「政治の世界を屋台骨となって支えてきた偉大な先人を輩出してきた島根県だ」と強調して支持を訴えた。

不記載事件を受けた政治資金規正法改正については「(政治資金問題を)2度と起こさないルールを作っていかなければならない。私はその先頭に立たなければならない」と意気込んだ。

一方、立民は元職、亀井亜紀子氏を擁立した島根1区を「天王山」と位置付け、議席奪取を目指す。泉氏は27日、松江市内で街頭演説に臨み、自民が示した政治改革案について「中身がからっぽだ。金集めの手法を全く変えようとしていない」と批判。与党支持層からも亀井氏に支援が集まっているとし、「一人一人が判断して投票することで政治改革が前に進む」と訴えた。

泉氏の島根入りは告示後6度目。演説後、記者団の取材に対して「来るたびに熱い反応をいただく。間違いなくうねりを実感している」と手応えを語った。

首相の島根入りについては「(自民の)政治改革案に本気度があるとは思わない。選挙だけ本気を出されても困る」と苦言を呈した。

衆院補選立候補者(届け出順)

▽東京15区 (9人)

福永活也43 弁護士 諸 新

乙武洋匡48 作家 無 新 【国】

吉川里奈36 看護師 参 新

秋元司52 元環境副大臣 無 元

金沢結衣33 元食品会社員 維 新 【教】

根本良輔29 IT会社経営 諸 新

酒井菜摘37 元区議 立 新

飯山陽48 大学客員教授 諸 新

須藤元気46 前参院議員 無 新

▽島根1区 (2人)

錦織功政55 元財務省職員 自 新 【公】

亀井亜紀子58 党県代表 立 元

▽長崎3区 (2人)

山田勝彦44 党県副代表 立 前 【社】

井上翔一朗40 学習塾経営 維 新 【教】

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