「大きな反響をいただいている」立民3勝へ攻勢 天王山・島根に注力「自民への審判」

野党第一党・立憲民主党は、衆院3補欠選挙の全勝を目指して最終盤の選挙戦を繰り広げている。泉健太代表は26日の記者会見で、いずれの選挙区でも「大きな反響をいただいている」と手応えを語り、「3つの選挙で議席を獲得する」と意気込んだ。

とりわけ力を注いでいるのは島根1区だ。自民党との一騎打ちの構図となったことから「天王山」と位置づける。島根県は、竹下登元首相、青木幹雄元参院議員会長ら自民重鎮が輩出した全国屈指の保守王国であり、議席を奪えば次期衆院選への弾みになると踏む。

選挙戦では、保守層へのアピールにつながる論客として野田佳彦元首相らを投入し、従来の立民支持者とは異なる層への浸透を図った。

また、国民民主党から県連レベルでの支援を受け、すれ違いを際立たせてきた旧民進党系勢力が久々に結束した姿を印象づけたともいえる。

泉氏は26日の会見で、3補選で唯一の自民との対決となったことを踏まえ「ここが今の自民党の政治への直接の審判になる」と強調した。

ただ、島根1区の立民陣営関係者は「『自民に入れたくない』と考える人が立民候補に入れるとはかぎらない。投票に行かないかもしれない」と語り、低投票率の戦いになった場合に競り負ける可能性を懸念する。

一方、同じく立民候補の優勢が伝えられる東京15区と長崎3区では、日本維新の会との激突を余儀なくされた。

次期衆院選で立民と維新は約100の選挙区で競合する見通しだ。自民候補がいない今回のケースでは、組織力で勝る立民が維新を押さえ込む勢いだが、自民を含む戦いとなった場合、立民と維新がつぶし合う展開となる可能性も高い。

立民にとって、次期衆院選で維新とどう向き合うかという懸案は積み残されたままだ。(松本学)

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