《不同意わいせつ容疑で書類送検》自民・山口晋議員、エレベーター内キス目撃した20代女性の母親に「ガス会社の社員」を名乗った理由

不同意わいせつ容疑で書類送検された山口晋衆院議員(Facebookより)

 20代女性に同意がないままキスをしたとして不同意わいせつの疑いで書類送検された自民党の山口晋衆院議員(41)。警視庁の任意の取り調べで、山口議員は「キスはしたが相手からしてきた」という趣旨の説明をしているという。また、議員の事務所は「捜査中のためコメントできない」としている。

【写真12枚】A子さんの自宅マンションの玄関ロビーでA子さんを見つめる山口晋代議士。他、A子さんの隣に立つネクタイを緩めた山口代議士、アザーカットも

 容疑となったのは『週刊ポスト』2023年12月8日号で報じたトラブル事案だった。山口議員は、東京・赤坂のラウンジを訪れ、当時この店に勤めていた滝沢カレン似の長身女性 A子さん(20代)とともに飲酒した。ひどく酒に酔った状態のA子さんを送る形で、赤坂にあるA子さんの自宅マンションに移動。泥酔したA子さんの同意がないなか、エレベーターホールでキスをしていた。この様子をA子さんの母親が目撃し、押し問答に。母親は赤坂署に通報。駆けつけた4人の警官に事情を聞かれ、山口氏は帰宅を促されたという。その後、何があったのか──。当時の報道を再掲する(文中の年齢、年代表記等は掲載当時のものです)。【前後編の後編。前編を読む

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 山口氏とA子さんの間のトラブルは、ここから奇妙な方向に展開する。娘にキスした男が国会議員と知った母親は1週間後、山口氏と喫茶店で面会した。その場で山口氏は、「A子さんに頼まれて自宅まで送った」「自分は冷静だった」と釈明したという。母親が語る。

「親切で送ってくれたなら、どうして意思も示せないような状態の娘にキスしたのかと質しました。すると、『娘さんは1人では歩けない状態で、彼女のほうが(背が)大きいので、(エレベーター内で)彼女がよろけて寄りかかってきて、私がおぉーっという感じで、そしたら……』って言い出し、最後には『そういうつもりじゃなかった』と。でも、冷静な人なら、娘が寄りかかってきてもキスはしないですよね」

 山口氏の弁明を聞いた母親はこう応じた。

「私はPTSDと虚血性心疾患の持病があり、娘のキスを見てすごいショックで恐怖を感じたんです。それを伝えると山口さんは、『具体的にどうすればいいのか。対応させていただく』と言う。そこで迷惑料、慰謝料として30万円を求めました」

 母親の要求は飛躍した印象を与えるだけに、山口氏にも言い分があるだろう。しかし、反論に際しては、事の始まりであるA子さんとの出来事についても説明が必要だ。本誌・週刊ポストが山口氏にキスの事実関係、「ガス会社の社員」を名乗った理由などを質問すると、事務所を通じてこう回答した。

「(A子さんを送り)マンション共用部分に入りました。エレベーターの中で泥酔し倒れそうになった女性に抱きつかれるなどしましたが、エレベーター前で待っていた、実家の女性の母親に引き渡しました。女性の母親は帰宅が遅いとして泥酔している女性を叱り、また、私にも怒りをぶつけてきましたので送ってきた経緯を説明しました」

 ガス会社の社員を名乗った理由、そしてキス行為について説明がないまま、文書回答はこう続く。

「その後、女性の母親から個別に呼び出しがあり、自身が受けた精神的損害について慰謝料として30万円を要求されましたのでお断りしたところ、数日後、母親の代理人を名乗る別の男性2人から別々に慰謝料の請求と要求に応じない場合は週刊誌などで記事になる可能性が示唆されましたので、悪質な恐喝行為に該当する可能性があるものとして警察に相談している」

 一方のA子さんも、山口氏からセクハラを受けたと警察に被害届を提出した。店で同席した先輩議員の穂坂泰氏に聞くと、「(店を出た後のことは)関知するところではございません」との回答だ。山口事務所に改めて確認したが、「ガス会社の社員」を名乗ったのは「事実に基づいた説明で偽りではない」との答えで、キスの説明はなかった。

 父が代表を務めるガス会社の登記を見ると、たしかに山口氏も取締役だ。それにしても、会う人みんなに「国会議員の山口」ではなく、「父が経営するガス会社の山口」と自己紹介するのだろうか。そうした行動にこそ“ボンボン二世議員らしさ”が現われている。

(了。前編を読む

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