初当選から8回連続無投票、広島・坂町長が9選めざし立候補表明

歴代町長の肖像写真をバックに撮影に応じる吉田隆行・広島県坂町長=2024年9月11日午後5時5分、広島県坂町、副島英樹撮影

 広島県坂町の吉田隆行町長(72)が来年1月の町長選に9選をめざして立候補表明した。初当選以来、8回連続で無投票当選。次も「無風」になると現職首長の連続最多記録となる。

 9月3日の定例町議会。町議の質問に対し、吉田町長は「生まれ育った地域に誇りを持ち、(西日本豪雨の)被災前よりも元気に満ちた坂町を実現するために、新たな熱意と情熱をもって今後の町政運営にあたりたい」などと述べた。原稿はA4用紙14枚に及んだ。

 民間企業の営業マン、町議を経て、1993年の町長選に立候補。無投票で初当選した。2021年の町長選まで一度も選挙戦はなかった。23年7月から全国町村会長も務める。

 「どんな気持ちかと聞かれても、私も言いようがない。毎回毎回、常に選挙があるもんだという思いで、必ず勝つんだという強い信念のもとに準備をしています」

 全国町村会などに取材したところ、現職首長の連続無投票は、8回が最多。吉田町長のほか、大分県姫島村の藤本昭夫村長(1984~2012年の8回連続。16、20年は選挙戦を経て当選)がいる。ただ藤本村長は次期村長選に立候補しないと表明しており、吉田町長が来年1月21日に告示される町長選で無投票当選を決めれば、単独最多記録となる。今のところ、吉田町長のほかに立候補の動きはみられない。

 無投票当選が続く現職首長の例はほかに、福井県池田町の杉本博文町長が7回、北海道弟子屈(てしかが)町の徳永哲雄町長が6回などとなっている。現職以外だと、森喜朗元首相の父で石川県根上町長だった茂喜氏(故人)は9回続けて無投票当選した。

 吉田町長に選挙戦をしたいかどうか尋ねた。「そこは私が、(対立候補が)出てきんさいとは言えない。出てくれば当然、堂々と受けて立つ。勝たなければ、私の町づくりのビジョンが実現しないわけですから」と答えた。

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