兵庫知事選、自民は「見送り」調整 維新は清水参院議員が出馬表明

斎藤元彦知事への辞職申し入れについて会見で説明する兵庫県議会の北野実・自民党幹事長=2024年9月6日午後8時26分、兵庫県議会、島脇健史撮影

 兵庫県議会で不信任決議が可決された前知事の失職に伴う知事選(31日告示、11月17日投開票)で、自民党が独自候補の擁立を見送る方向で調整していることがわかった。県議団の検討会が協議を重ねてきたが、意見をまとめられなかった。

 自民は前回知事選で日本維新の会とともに前知事の斎藤元彦氏(46)を推薦したが、斎藤氏は内部告発問題をきっかけに県議会で不信任決議が可決され、出直し選への立候補を表明したうえで失職した。同決議案の共同提案を全議員に呼びかけた自民は、斎藤氏の対立候補擁立を協議していた。

 複数の県関係者によると、検討会では、立候補を1日に表明した元経済産業省官僚の中村稔氏(62)を推す意見や、立候補の意向を固めた同県尼崎市前市長の稲村和美氏(51)の支援を念頭に自主投票を求める意見など、県議の間で意見が分かれ、擁立を見送る結論を出した。近く議員団総会に諮る予定で、県連も県議団の方針を尊重するとみられる。

 知事選をめぐっては、維新の清水貴之参院議員(50)=兵庫選挙区=が2日、県議会で報道陣に「兵庫県のイメージが悪くなってしまっている。変えていきたい。知事選に向かって全力で戦っていく」と述べ、立候補の意向を表明した。近く正式に記者会見する。維新公認か無所属で挑むかは今後検討するが、維新の藤田文武幹事長は2日の会見で「本人が無所属でも推薦は絶対すべきだ」と述べた。

 清水氏は福岡県出身。朝日放送アナウンサーとして勤務後、2013年参院選で初当選し、現在2期目。次期衆院選ではくら替えして兵庫8区(尼崎市)に維新公認で立候補する予定だった。維新は兵庫8区の公認候補を改めて検討し直す。

 知事選には、斎藤氏、中村氏、清水氏のほか、共産党が推薦を決めた医師の大沢芳清氏(61)が立候補を表明。稲村氏も近く立候補を表明する見通し。

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