放送作家・佐藤満春。天才たちに「頼られる」凡人としての暗躍術とは?/凡人の戦略
『凡人の戦略 暗躍する仕事術』(佐藤満春 /KADOKAWA)第1回【全5回】オードリーのオールナイトニッポン、春日ロケーション、DayDay.、キョコロヒーなど多数の番組を支える影の立役者。放送作家として担当する番組は最多で20本超!作家、芸人、専門家…様々な顔を持つ裏方のプロ サトミツこと佐藤満春が数多くの方と関わりながら、様々な人たちに頼られ、人知れず活躍してきた暗躍の仕事術を大公開。今まで語られてこなかった佐藤の仕事哲学を紹介した本書『凡人の戦略 暗躍する仕事術』の一部を、5回連載でお届けします。
はじめに
1作目の自叙伝的なエッセイを書いて、豪華な対談相手の人気やら、優秀な編集チームのおかげもあって、想像よりもずっとたくさんの反響をいただきました。
ただ、僕自身はといえば勝手なもので、どこで誰に届いているかなど気にする余裕もないし、感想をいただいてもピンとこなかった時期が長かったのが正直なところ。
「本は誰かの手に届いて、成立するのだなあ」と思うところもあるけれど、速射砲のように文字を打ち続けて、それでもうあとは、何にならなくても、どう思ってもらっても、もう仕方ないことだ!といういきなり諦めの境地に再び燦然と立ち続ける以外にはどうにもなかったように思います。それはこれまで作ってきた作品も全部そういえばそうだったから。
放送作家として多くの番組に関わり、数多くのイベントの構成も担当しました。少なからず僕のことを知ってくださる方も増えたと思います。しかし。僕自身の仕事ぶりについて、
「実際、具体的には何してるの?」
「なんか面白そうな番組や企画に関わってるけど、結局何してる人?」
などと聞かれるタイミングも増えました。
そうなのです。僕がやっていることは世に出ません。
まして、評価を受けることもありません。
それでも僕は続けていくのです。
出演者の皆さんからは「またサトミツが暗躍して……」なんていじられる機会も多々あります。いつの間にか「暗躍」は僕自身の仕事ぶりのキーワードにもなりました。
「暗躍」とは人に知られないようひそかに策動すること、という意味だそうです。
仕事をする上で「評価」や「承認」を求めることもなく粛々と、淡々と、プロジェクトの成功に向けてこっそりお仕事をするのが僕の生き方です。
今回の本は、そんな僕の仕事術を少しだけまとめてみました。興味がある方だけ、どうぞご覧ください。これを読んで、僕のことを賞賛してほしいわけではありません。
数多くの天才たちと関わりながら、その天才たちに「頼られる」凡人としての暗躍術になります。僕と同じようなことで悩んで、つまずいてる方のちょっとしたヒントになれば幸いです。決して僕は何かの成功者ではありません。
ただ、凡人であるからこそ誰にも通ずる何かの法則がそこにはあるのではないかと。
この本がしっかり形になる頃には46歳、50歳も見えてきました。人生はとっくに折り返してるんでしょう、長生きする予定も、するつもりもありません。
2024年、担当番組を半分以下にして、自分の時間をつくることに成功しました。
それでもまだまだ忙しく、不眠と眩暈と体の不調も抱えて万全ではありません。
いったい僕はなんのために仕事をしてなんのために生きているのか?
望んで入ったこの世界で好きな人と好きな仕事しかしていない。
収入もある程度、生活には困らない程度にはいただいています。
そんな中、僕が僕であるために(なんだっけこの曲)自分軸でもう少し生きるため、考えをまとめてみることにします。
大きく、仕事に対する取り組み方を書く本となります。
当たり前ですが仕事だけが人生ではないので、別に日々の仕事を頑張って趣味の時間を充実させて楽しむ人生もありだし、ペットと楽しく過ごす時間のために生きてもいいわけで、そこを否定するものではありません。
人生のほんの一部分の「仕事」に対するアレコレだと思ってください。
気になる方は最後までお付き合いください。
佐藤満春
10/31 19:30
ダ・ヴィンチWeb