小3女児が死亡 トラック事故を防ぐには“安全確認のタイミングが重要”「何十年乗っている人でも知らないことが多い」

4月9日夜、愛知県飛島村で、犬の散歩をしていた小学3年生の女の子が大型トラックにはねられ、死亡した事故がありました。

警察は15日夜、逮捕した男を現場に立ち会わせて、当時の詳しい状況を調べました。

CBC

小学3年生の女の子を再現した人形…真横の大型トラックと比較すると、女の子の体がとても小さく見えます。

15日、警察はトラックを運転していた富山県の会社員、榊泰雄(さかき ひろお)容疑者(60)を飛島村大宝の事故現場に立ち会わせて、実況見分を行いました。

(矢野司記者)
「男を運転席に乗せて、警察の実況見分が行われています。トラックからの見え方を確認しているのでしょうか」

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警察によりますと榊容疑者は、4月9日の午後9時すぎ、大型トラックを運転中にコンビニエンスストアの駐車場に入ろうと左折した際、歩道を歩いていた小学3年生の女の子(8)をはねて死亡させた疑いがもたれています。

女の子は、1キロほど離れた弥富市に住んでいて、一人で犬の散歩をしていました。

榊容疑者は容疑を認めていて、富山県から愛知県内に荷物を運ぶ途中だったということです。

警察は15日夜、事故が起こった時間帯に榊容疑者を立ち会わせて実況見分を行い、女の子の身長や当時の服装に似せた人形を使って、事故の状況を再現。

細かくトラックを前進させ、その都度、榊容疑者を運転席に乗せて女の子の位置を確認していました。

事故が起きたのは午後9時すぎで、夜道で人通りも極めて少ない場所です。

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ドライバーは「死角がとにかく多い。ミラー増やしても見えない所が」

(矢野記者)
「現場のまわりは街灯もあり明るいですが、事故が起きた入口近くは暗く見えづらくなっています。現場に立つ警察官の姿もよく見えません」

榊容疑者はこれまでの警察の調べに対して、「ぶつかる音がするまで気付かなかった」と話しているということです。

この痛ましい事故について…

(鳴海急送 倉本健一さん)
「(トラックは)背も高いし、死角がとにかく多い。大きいミラーとか数を増やしているが、それでもまだ見えない所がある」

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こう話すのは、愛知県内の運送会社に勤務するトラックドライバー歴20年の倉本健一さんです(事故とは無関係の会社です)。

トラックの運転技術を競う全国大会で、優勝経験もあるベテランです。

トラックには大小さまざまなサイドミラーがありますが、運転席からの死角をすべてなくすことはできません。

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悲しい事故を防ぐために…重要なのは安全確認の“タイミング”

トラックの周囲に三角コーンを設置して、運転席から見られる範囲を確認する実験では、運転手からは死角となって「目視で確認できない」青い三角コーンが多く存在していました。

つまり、運転手から見えにくく危険だと考えられる場所です。

倉本さんは事故を防ぐためには、何よりも安全確認の「タイミング」が重要だと力を込めます。

CBC

(鳴海急送 倉本健一さん)
「止まった所で見た時にはもう見えない所が多い。止まる前から安全確認をしておいて、止まるべき所で止まってやっぱり大丈夫と再確認してから行くべき。普段見ていても、できている人はほとんどいない」

止まってからの確認ではなく、止まる前からの確認を心がけていると言います。

倉本さんは、さらに「慣れ」の怖さも指摘します。

(鳴海急送 倉本健一さん)
「(安全確認について)何十年もトラックに乗っている人でも知らないことが多い。もう1回再教育というのは、どんどん定期的にやっていくべき」

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