東日本大震災から13年。【100均・プチプラで防災・キッチン編】食器棚には「飛び出さない収納ケース」、家電には「すべらない工夫をダブルで」

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家の中にあるものはすべて凶器になると心得て

震度７級の地震がくると、どうなるか。これは実際にあったことですが、本や衣類に埋もれて、あるいは菜箸が刺さって命を落とします。「そんなもので？」と思うかもしれませんが、それが現実。

さらに、命が助かっても家の中はぐちゃぐちゃに。レスキュー隊は、家の片づけまではしてくれません。足元がガラスの破片だらけの状態を元通りに片づけていくのは途方にくれる作業。防災とは、命を守る目的はもちろん、「被災前の日常生活をいち早く取り戻す」ために必要なことなのです。

下の写真は2018年の大阪府北部地震後のわが家（左）と隣家のキッチンの比較。震度６弱でこのありさまです。家の中にあるものはすべて「落ちる／倒れる／移動する／飛ぶ」ものだと思ってください。普段からものを少なくしておくことは大切。しかしお金をかけなくてもちょっとした対策をしておくことで、災害時に大きな差が出ることを知っておきましょう。

凶器だらけだからこそ十分な対策を
キッチン

包丁や家電、割れものなど、キッチンには危険なものばかり。

ポイントは「出しっぱなしにしない」「揺れで扉が開かないようにする」「滑り止め対策」です。

「見せる収納」は、防災の観点からはおすすめできません。

キッチンでは滑り止めシートが大活躍します

１）食器棚の対策
食器類はケースに入れて飛び出さない工夫を

キッチンに限らず、収納の基本は「上に軽いもの、下に重いものや割れもの」です。そのうえで、造りつけでない食器棚なら本体の下に転倒防止板を挟んで後傾させ、食器はプラケースなどの中にしまいます。棚には滑り止めシートを敷き、ケースにも滑り止めシートを貼って、トリプル効果で飛び出しを防ぎましょう

飛び出さない収納ケース

取っ手付きのプラスチックケースの底の両面に、滑り止めシートを両面テープで貼る。手前側を折り返して高くするのがコツ

２）戸棚の対策
揺れにより扉が開かなくする耐震ラッチは必須

キッチンにあるものは収納するのが防災の心得。しかし、いざという時に棚から飛び出しては意味がありません。震度５以上の揺れを感知して扉をロックする「耐震ラッチ」はぜひ取りつけておきたいアイテム。ホームセンターなどで、1000円前後で購入できます

３）家電の対策
電子レンジや炊飯器は滑らない工夫をダブルで

棚に置いてあるだけの家電類は、大きな揺れで確実に飛び出し、重さもあるため被害を大きくします。棚板には滑り止めシートを貼り、家電の脚には耐震ジェルマットを敷きましょう。できれば胸より低い位置に置くこと。ダブルの備えでかなりの差が出ます

４）冷蔵庫の対策
中のものが動かないようにメッシュカゴなどに入れて

揺れで中のものが動くことで、冷蔵庫本体も動き始めます。扉には子どものいたずら防止用のストッパーを取りつけ、開かないように。ドレッシングなどのボトルはすでに紹介した「飛び出さない収納ケース」に入れれば安心。プラスチックケースは冷気が通りやすいメッシュタイプを選んで

※商品はすべて税込価格です。掲載商品は取材時点のものであり、現在取り扱いのない場合があります。また店舗によって品揃えが異なり、在庫がない場合があります

100均・プチプラで防災
【キッチン編】食器棚には「飛び出さない収納ケース」、家電には「すべらない工夫を」
【リビング編】テレビ、置物には必ず「滑り止めシート」、本棚は「隙間を作らない」
【寝室編】夜間の圧死リスクに注意！ カーテンは「プラス3センチ」に