“処分逃れ”の二階俊博氏「してやったり!」のガッツポーズ…三男に「国譲り」で権力維持へ

国会内を掴まり立ちで歩く二階氏。腕を貸しているのは“SP”だ

 

“SP”に掴まり、やっとの思いで国会内を移動していた、自民党の二階俊博元幹事長(85)の国会議員生活が、ついに終わりを迎える。

 

 3月25日の会見で、次期衆院選への不出馬を表明した二階氏は、記者から「年齢が理由なのか」と聞かれると「お前もその歳がくるんだよ。バカ野郎!」と怒りを露わに。

 

 冒頭のように衰えは歴然にもかかわらず、逆ギレする姿は「老害」にほかならないが……。

 

 

「自民党内では『引退はよかった』と評価する声が多い」(議員秘書)という。

 

 政治部デスクは、こう解説する。

 

「体は衰えても、政局を見る勘は健在でした。派閥パーティの『裏金問題』で、二階氏も岸田(文雄)首相から処分を受けるはずでしたが、自ら引退を言いだしたことで、処分のダメージを無にしたに等しい。

 

 しかも、次期衆院選で参議院から新・和歌山2区への鞍替えを狙っていた世耕(弘成)氏に『選挙における非公認』以上の処分が確実になり、鞍替えの可能性がほぼなくなりました。

 

 このタイミングで二階氏が引退することで、世耕氏の邪魔もなく、自身の秘書を務めている三男を国政選挙に出馬させ、“禅譲”できる環境を整えた形です」

 

 会見翌日の26日に登院した二階氏には、衛藤征士郎氏(82)、江﨑鐵磨(てつま)氏(80)の“80代仲間”が挨拶に訪れた。

 

 最初に声をかけた江﨑氏が何やら伝えると、二階氏は突如、左手を高く振り上げた。紛れもなくガッツポーズだ。

 

「『してやったりだ』という心境を伝えたのでしょう」と推測するのは、政治アナリストの伊藤惇夫氏。こう続ける。

 

「一方、踏ん張りどころなのは岸田首相です。安倍派幹部に処分を下したところで、森喜朗元首相は党内の聴取に『俺がやった』なんて言うわけがないんですから、国民は納得しない。

 

 この問題が風化するまで、しばらく時間がたつのを待つしかない状況です」

 

 4月1日、茂木敏充幹事長が明かした処分対象39人のリストのなかにも二階氏の名前はなく、見事に“処分逃れ”ができた模様だ。

 

 和歌山県では、今も“二階ブランド”は健在だという。

 

「県内の道路インフラに貢献してくれたことはみんな知っている。『二階さんのGNPは義理・人情・プレゼント』と言われるくらい地元からの支持は強いし、みんな二階さんのいる自民党を支えてきた。息子を頼むと言われて、断われる地元民はいないよ」(和歌山県内の土木関係者)

 

 会見で「地元の皆さんがお決めになる」と、政界引退について濁した二階氏。

 

 まだ息子を通じて権力を握るつもりなのか――。

 

 写真・長谷川 新

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