軽症の救急搬送費徴収で出動2割減 要請重なる日数減る 三重・松阪

走行する救急車=曽根田和久撮影

走行する救急車=曽根田和久撮影

 一部病院で6月から、救急車による搬送後、入院に至らなかった軽症患者から選定療養費7700円を徴収している三重県松阪市が、8月まで3カ月間のモニタリング結果をまとめた。実際に徴収したのは入院に至らなかった搬送者の13・5%に当たる278人。救急出動件数は前年同期比2割減で、1日50件以上救急出動した日数も8割減ったとしている。

 選定療養費の徴収は2次救急を担う済生会松阪総合病院、松阪中央総合病院、松阪市民病院の3病院で実施。救急出動件数は松阪市と多気町、明和町で構成する松阪地区広域消防組合を対象に調べた。

 市によると、期間中に救急車で病院に収容されたのは3749人。2056人が入院に至らず、そのうち278人から選定療養費を徴収した。

 期間中の救急出動件数は3604件、救急搬送数3407件で、いずれも前年同期比で約2割減少した。1日に50件以上救急出動した日数は前年の47件に対して10件にとどまり、救急車の出動要請が重なる事態も減った。

 これに対し、1次救急を担う休日夜間応急診療所の内科受診は3カ月間で7割も増加。救急相談ダイヤルの利用件数も7969件と、前年同期に比べ2390件(約43%)増えた。

 結果を受けて市は、選定療養費の徴収が医療機関の適正な受診につながり、救急車の出動件数減少などから救急医療体制の整備にも一定の効果が確認できたとしており、今年度末までモニタリングを継続する。【下村恵美】

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