初代アメリカ大統領ジョージ・ワシントンの邸宅から250年前の「瓶詰めサクランボ」が見つかる、中には残留物の液体も


初代アメリカ大統領のジョージ・ワシントンのプランテーションがあった場所として知られている、バージニア州マウントバーノンの邸宅の床下から、約250年前のガラス瓶が2本発見されました。その中からは、奴隷として働かされていた人々によって収穫された可能性があるサクランボが回収されています。
Archaeologists Discover Two Intact, Sealed 18th Century Glass Bottles During Mansion Revitalization at George Washington’s Mount Vernon · George Washington's Mount Vernon
https://www.mountvernon.org/about/news/article/archaeologists-discover-two-intact-sealed-18th-century-glass-bottles-during-mansion-revitalization-at-george-washington-s-mount-vernon/
George Washington's stash of centuries-old cherries found hidden under Mount Vernon floor | Live Science
https://www.livescience.com/archaeology/george-washingtons-stash-of-centuries-old-cherries-found-hidden-under-mount-vernon-floor
George Washington's 250-year-old cherries found buried at Mount Vernon
https://www.usatoday.com/story/news/nation/2024/04/23/george-washington-mount-vernon-cherries/73422858007/
今回発掘されたガラス瓶は、マウントバーノンの邸宅再生プロジェクトの最中に、1770年代に敷かれたレンガ造りの床の下で見つかったもの。声明によると、ガラス瓶はジョージ・ワシントンが邸宅に住んでいた1758年から1776年の間に埋められたものと考えられており、無傷で直立した状態で発見されたとのことです。


マウントバーノンの主任考古学者であるジェイソン・ボローズ氏は、「床下に着くと、桜の花のような香りがして、丸ごとのサクランボがあることがわかりました。つまり、この瓶はタイムカプセルなのです」と話しました。
考古学者らは、将来の分析に備えて瓶の内容物を保存するために、瓶の中からサクランボの果肉や茎、液状の残留物を取り出して小さな容器に移し替えました。内容物にはまだサクランボ香りが残っていたと考古学者は証言していますが、液体の大半はコルクの劣化により瓶の中に入った地下水だと考えられています。


植民地時代のマウントバーノンでは、ブランデー、サクランボのジュース、砂糖、スパイスで作られたチェリーバウンスという飲み物が人気で、ジョージ・ワシントンや妻のマーサが愛飲していたことが知られています。
しかし、チェリーバウンスはより大きな容器に保存されるのが一般的だったため、考古学者らは「このガラス瓶のサクランボは、料理やお菓子作りなど他の用途のために保存されたものだった可能性が高い」と結論づけました。
当時は冷蔵庫がなかったため、収穫されたサクランボは乾燥させてから瓶詰めされ、コルクで栓をして保管されました。18世紀の文書からは、同様の方法で果物や野菜を保存していたとの記述があり、この保存法により最長で1年サクランボを保存できたと考えられています。


この発見は、当時マウントバーノンに住んでいた数百人の奴隷の誰かが摘み取ったサクランボであり、植民地時代の歴史を現代に伝えるものだという点で注目に値すると考古学者は指摘します。
ボローズ氏は「私たちはこれらの品々を、土の中から回収することができる、形ある生活史の断片のようなものだと考えています。これらの瓶は物語を語ろうとしており、その断片を組み合わせる方法がわかれば、彼らの来歴を再び形にできるでしょう」と述べました。

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