日常的な運動はよりよい睡眠につながることがFitbitを用いた研究で明らかに


定期的に運動していると睡眠の質が改善することは、過去の研究で明らかになっていますが、「研究室の設定で、一晩寝たあとの結果だけでは科学的研究として問題がある」として、テキサス大学オースティン校の研究者らがアクティビティを記録できるウェアラブル端末のFitbitを用いて、運動と睡眠の関係を改めて調査しています。
Move More, Sleep Better, UT Study Finds - UT News
https://news.utexas.edu/2024/04/01/move-more-sleep-better-ut-study-finds/


The effects of physical activity on sleep architecture and mood in naturalistic environments | Scientific Reports
https://www.nature.com/articles/s41598-024-56332-7
運動と睡眠については、「定期的に運動しているとよく眠れる」ことや「いい睡眠を取ると気分がよくなる」ことが先行研究で示されています。
研究に携わったテキサス大学オースティン校のベンジャミン・ベアード氏は「研究室で行われた研究からは多くのことを学ぶことができますが、一晩で個々の被験者の睡眠パターンを研究するには限界があります。慣れない臨床的な環境では、ストレスを感じるかもしれません。また、時間経過を見ることもできません。なので、そういった設計からの一般化の可能性について疑問があります」と述べました。
今回の研究は、ベアード氏の指摘する「時間経過」をふまえるために、82人の被験者にFitbitを着用してもらい、数カ月にわたりアクティビティや心拍、睡眠のデータを測定しました。また別途、スマホアプリを用いて幸福度を自己申告してもらいました。
その結果、低強度の身体活動および中程度以上の身体活動の両方が回復力のあるよりよい睡眠につながり、よりよい睡眠は翌朝に多くのエネルギーと低ストレスをもたらすという、従来の知見を補強する内容が得られました。


論文の共同著者であるデビッド・M・シュニール氏は「高価な科学機器を使わなくても、誰でも使えるFitbitが、この種の睡眠アーキテクチャの測定ができることを示しました。もはや世界は思いのままです。Fitbitを使えば、これまで不可能だと思われていた、生活習慣などに関連するさまざまな睡眠アーキテクチャのデータを、研究室ではなく現場で研究することが出来ます」と、Fitbitの貢献を評価しました。

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