「小説をより早く書き上げる方法」についてベストセラー作家が語る

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文章を書いている時、行き詰って停滞してしまったり時間がかかるエリアに苦戦してしまったりした経験がある人は多いはず。多くの作品でベストセラーに選ばれているミステリー作家のローラ・チャイルズ氏が、小説を素早く書き上げるためのヒントを解説しています。
Tips and Tricks for Faster Writing from Laura Childs ‹ CrimeReads
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文章を書く際は、優れたアイデアをひらめくことと同時に、常に想像力を広げて言葉を探し続ける大変な作業が必要です。チャイルズ氏は「このプロセス全体には、ろうそくの両端を燃やして素早く燃え尽きてしまうような、高いストレスと疲労を伴います」と語り、このプロセスをより効率化できるテクニックについて提案しています。
チャイルズ氏がひとつめのテクニックとして挙げているのは「概要を把握する」こと。全体のプロットや章ごとのアウトラインなどを必要としない作家もいますが、チャイルズ氏の場合はアウトラインを設定しておくことで思考プロセスをスピードアップし、ストーリーが進行するロードマップの作製を補助してくれるとのこと。
実際にチャイルズ氏が「Murder in the Tea Leaves」というミステリーを執筆した際には、物語の始まりになる事件、それぞれのシーンで登場するキャラクター、プロットのターニングポイントになる部分、次の事件、主人公の精神が強く落ち込む部分、そして結末を大きな紙にマッピングするところから始めたそうです。執筆の際には、事前に作ったアウトラインをより詳細に詰めていく形で進めることで、物語が進化していくのが感じられるとチャイルズ氏は語っています。

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また、アウトラインを作る際に「事前リサーチ」も重要だとチャイルズ氏は指摘しています。例えばミステリーの場合、発生する事件に関する詳細や、捜査などにかかわる科学知識、イメージする舞台の取材など、詳細な展開を執筆するために必要な情報があります。これを、執筆する際の情報が必要になるたびに調べていると、いちいち執筆から離れてしまう大きなロスになるため、確実に必要となる情報は事前に調べておくことをチャイルズ氏は推奨しています。
チャイルズ氏がふたつめに挙げている執筆のテクニックは、「書き始めたら立ち止まらずまっすぐ書くこと」です。正確な単語や補足説明がわからない場合は「x」と仮に入力しておいたり、表現がしっくりこなかったりする場合でも、そこで立ち止まって調べることをせず、その章が終わるまで進み続けます。章が書きあがったら戻り、校正をしながら「x」としていた部分に情報を追加していくことで、「執筆と情報の追加を切り分ける」ようにすることがスピードアップのコツとのこと。

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最後にチャイルズ氏は、最も重要な取り組みとして「とにかくたくさん本を読んでください」と述べています。たくさん本を読むことで、他の作者が使用しているテクニックが身に付き始めます。集めた知識とテクニックで自分の文章スタイルを磨くことで、より早くよりスマートに文章を書くことができるようになります。そのためには、ただ本を読むだけではなく、なぜその本が面白いのか、作者がどのように意図して書いているのか分析しながら読むことが重要です。

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