両方のプレイヤーが完璧にプレイした場合の勝敗が決まっている「解決済み」ゲームにはどのようなものがあるのか?

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2023年10月30日に発表された論文で、オセロにおいて「双方が最善手を打った場合の最終局面は引き分けになる」ことが明らかになりました。このようなゲームは「解決済みゲーム」と呼ばれ、これまでに多くのゲームが「解決済み」であることが証明されています。
Solved game - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Solved_game#Solved_games
これまでに「解決済み」と認定されたゲームには以下のようなものがあります。
◆アワリ
アフリカや東南アジアなどで古くから遊ばれている伝統的なボードゲーム「マンカラ」の1種で、「グランドスラム」と呼ばれる独自ルールが存在することが特徴です。オランダ・アムステルダム自由大学のアンリ・バル氏とジョン・ロマン氏は2002年にアワリについて「どちらのプレイヤーも強制的にゲームを引き分けに持ち込むことができる」と報告しています。
◆割り箸
「それぞれのプレイヤーは指を1本伸ばし、交互にその指に触れて本数を変化させていく」という手遊びゲーム「割り箸」は、2名のプレイヤーが両方とも完璧にプレイした場合、ゲームが終了することなく無限に続いていくことが分かっています。
◆四目並べ(コネクトフォー)
2人のプレイヤーが交互にコマを下から積み重ねて、先に縦・横・斜めいずれか直線状に4つ並べた方が勝利するゲームが「四目並べ」です。このゲームは、1988年にプログラマーのジェームズ・アレン氏やヴィクター・アリス氏によって「互いに最善手を打った場合、必ず先手が勝利する」ことが(PDFファイル)証明されています。

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by Glenwood-Lynwood Public Library District
◆ファノロナ
古典的なボードゲームである(PDFファイル)ファノロナは、5×9のマス目のボード上で互いに22個ずつのコマを用いて、相手のコマを取り合うゲームです。2008年にマーストリヒト大学のマールテン・シャッド氏らによって、「互いに最善手を打った場合、必ず引き分けになる」ことが(PDFファイル)報告されています。
◆五目並べ
囲碁の道具を用いて行う日本の伝統的なボードゲームである五目並べは、交互に盤上に石を置いていき、自身の石を先に5個並べた方が勝利となります。五目並べは1899年に黒岩涙香によって必勝法が発見されているほか、ヴィクター・アリス氏によって1993年に「最善手を打ち続けた場合、先手が必ず勝利する」ことが証明されています。
◆ゴースト
「ゴースト」は複数人でプレイするワードゲームで、各プレイヤーは1文字ずつアルファベットを追加していき、アルファベットが単語を形成してしまった時点でそのプレイヤーの敗北となるルールです。「ゴースト」についてはNational Puzzlers' Leagueの会員だったアラン・フランク氏が1987年に必勝法を構築しています。
◆ヘキサポーン
3×3マスのチェス盤上で行われるゲームで、各プレイヤーはそれぞれ3つのコマを使って、「前方の3マス目に自身のコマを進める」「相手のコマを全て取る」「相手のコマが動けないような配置にする」のいずれかを達成すると勝利となります。お互いに最善手を取った場合、後手が必ず勝利することが明らかになっています。

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◆Lゲーム
4×4のマス上で3×2のL字のブロックや、1×1のコマを互いに移動させて、相手のL字ブロックの移動先をなくすゲームが「Lゲーム」です。このゲームは、さまざまな実験によって、最善手を取ると必ず引き分けになることが証明されています。
◆ルージング・チェス
チェスと同じルールでありながら、勝利条件は「全てのコマを失う」「行き詰まり状態になる」といった、一般的なチェスとは逆の条件です。このゲームでは、相手のコマを取ることができる場合、必ず取る必要があるため、最善手を打ち続けると、必ず先手が勝利することがシドニー大学のマーク・ワトキンス氏によって(PDFファイル)報告されています。
◆マハラジャとセポイ
片方は一般的なチェスの配置、もう片方はクイーンまたはナイトとして移動できるキングのコマ1つだけで戦うゲームが「マハラジャとセポイ」です。このゲームでは、互いのキングをチェックメイトすることが勝利条件です。これまでに、互いに最善手を取った場合、1つのコマを動かすプレイヤーが必ず勝つことが証明されています。

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◆ニム
2人のプレイヤーがいくつかの山からコインを取り合い、最後のコインを取ったプレイヤーの勝利となる「ニム」では、先手と後手それぞれの必勝法が確立されています。
◆ナイン・メンズ・モリス
「ナイン・メンズ・モリス」は、指定された線に沿って互いにコマを動かして取り合い、先に相手のコマを2個まで減らすか、相手のコマを動かせなくした方が勝利となるゲームです。ラルフ・ガッサー氏によって1993年に「どちらのプレイヤーも引き分けに持ち込むことができる」ことが(PDFファイル)証明されました。
◆秩序と混沌
互いに2種類のコマを使って行う五目並べのようなゲームが「混沌と秩序」です。このゲームでは、最善手を取ると必ず先手が勝利することが明らかになっています。
◆オヴァルフ
東南アジアで発達したマンカラの1種が「オヴァルフ」です。これまでにコンピューターによって必勝法が発見されています。

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◆パンキ
5×5のマス目上で5つのコマを動かし合う「シンク・カミンズ」の1種として発展したゲームが「パンキ」です。パンキはシンク・カミンズと異なり、4×4のマス上で6つのコマを動かすという点で差別化されており、これまでに最善手を取った場合必ず引き分けになることが報告されています。
◆ペンタゴ
3×3のボードを4つ使用して行う五目並べのようなゲームが「ペンタゴ」です。このゲームでは、互いにボードを回転させつつ、どちらが玉を5つ並べることができるかが勝利条件です。これまでに双方が完璧にプレイした場合、先手が必ず勝つことが証明されています。
◆ペントミノ
5つの正方形ブロックからなるさまざまな形のピースを使い、8×8のマスに交互にピースを置いていき、置けなくなったほうが負けになるゲームです。「ペントミノ」では、両者が最善を尽くせば、必ず先手が勝つことが明らかになっています。
◆クアルト
4×4の16マスの盤上に、縦・横・斜めの1列に4つコマを並べたプレイヤーが勝利するゲームが「クアルト」です。一般的な四目並べと異なり、コマの色や形、高さ、穴の有無といったいずれかの特徴で一列をそろえる必要があります。このゲームでも、互いに最善手を打った場合、引き分けになることが証明されています。
◆キュービック
4×4×4の立体的な三目並べゲームが「キュービック」です。このゲームは、コンピューター科学者のオレン・パタシュニク氏らによって、最善手を取った場合先手が必ず勝つことが明らかになっています。
◆連珠
五目並べにさまざまなルールを追加し、競技性を持たせたボードゲームが「連珠」です。複数のルール追加によって、先手有利な五目並べを変えようとして生まれたゲームですが、ヤーノシュ・ワグナー氏らによって依然として最善手を打ち続けると先手が必ず勝つことが報告されています。

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by jens kuu
◆シム
六角形の頂点同士を結んだ線に対し、各プレイヤーは交互に1本ずつ色を塗ります。色を塗り続けた結果、自分の色だけで構成される三角形を作らないようにするというのが目的です。これまでに互いが最善を尽くすと、後手のプレイヤーが勝利することが明らかになっています。
◆ティーコ
互いにコマを移動させることができる、四目並べのようなルールのゲームが「ティーコ」です。1998年にコンピューター科学者のガイ・スティール氏によって、両方のプレイヤーが完璧にプレイした場合、先手の勝利もしくは引き分けとなることが証明されました。
◆スリー・メンズ・モリス
「スリー・メンズ・モリス」は、3×3のボード上で互いにコマを移動させつつ、自分のコマを3つ並べた方が勝利するゲームです。互いに最善を尽くすと、必ず引き分けになることが明らかになっています。
◆三銃士
3つのコマだけを使う三銃士側、もしくは22枚のコマを使う敵側に分かれ、5×5のボード上で互いにコマを動かし合います。敵側は、三銃士のコマを全て同じ列に並べると勝利。三銃士側は隣接して敵のコマがなく、それ以上動けなくなると勝利となります。アリ・エラブリディ氏によって「最善を尽くすと必ず敵側が勝利する」ことが(PDFファイル)証明されました。
◆三目並べ
3×3のグリッド上で互いに○や×を描き、先に3つ並べた方が勝利となるシンプルなゲームです。両者が最善を尽くすと、必ず引き分けになることが明らかになっています。

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◆トラとヤギ
トラ側は4つのコマを使い、最大20個のコマを動かすヤギ側の行動を妨げるのが主な目的です。ユウ・ジン・リム氏によって、最善を尽くした状況では、必ず引き分けになることが(PDFファイル)証明されています。
◆ワイソフのゲーム
2つのコインの山から順番にコインを取り除きます。片方もしくは両方の山からコインを取り除くことが可能ですが、両方の山から取り除く際には同数を取り除く必要があります。最後のコインを取ったプレイヤーの勝利です。これまでにオランダの数学者であるウィレム・ワイソフ氏によって必勝法が発見されています。

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