5955件ものトラブル相談が!高齢者を中心に被害が多発する「サポート詐欺」。PC画面に表示される偽の警告表示に気をつけて!

イメージ(写真提供:Photo AC)
パソコンの画面に偽の警告(フェイクアラート)を表示し、サポートの名目でお金をだまし取る「サポート詐欺」の被害が深刻化しています。国民生活センターによると、2023年度におけるサポート詐欺の相談件数は5955件に上り、その半数以上が70歳以上の高齢者によるものでした。サポート詐欺の主な手口と、本物の警告表示との見分け方をお伝えします。

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【写真】「これってサポート詐欺?」と思ったら…

サポート詐欺とは

サポート詐欺とは、パソコンの画面に「コンピュータがウイルスに感染しています」などといった偽の警告(フェイクアラート)を表示し、偽のサポートセンターに連絡させてお金をだまし取るという手口です。

<サポート詐欺の流れ>

(1)パソコンの画面にフェイクアラートが表示され、画面に記載されたサポートセンターの連絡先に電話をかけるよう誘導される。

(2)電話をかけると、サポートの名目で有料の契約を勧められたり、「セキュリティソフト」などと称して遠隔操作するためのソフトウェアをインストールさせられ、不正送金されたりしてしまう。

<実際の事件>

・パソコンを操作中に「ウイルスに感染した」と警告表示が出たため、画面上の番号に電話。相手の指示に従い、複数のコンビニ店で電子マネーを購入してコード番号を伝えた結果、計220万円をだまし取られた(3月29日 福島県)

・パソコンに「ハッキングされている」という警告画面が表示され、画面上の番号に電話。相手の指示に従って遠隔操作用のソフトをダウンロードし、パソコンのカメラに運転免許証やインターネットバンキングを利用するために必要なID・パスワードなどが書かれたカードをかざしたところ、口座から現金300万円が不正送金されていた(4月16日 宮崎県)

・パソコンを使用中に「至急連絡してください」などといった警告画面が表示され、画面上の番号に電話。相手の指示に従って暗証番号の入力などを行い、遠隔操作で現金をだまし取られた(4月24日 福岡県)

<フェイクアラートが表示される主な原因>

・メールやSMSに添付されている不審なURLや広告をクリックした
・不審なウェブサイトにアクセスした
・開発元や提供元が不明なアプリ・ソフトウェアをインストールした

不審なサイトを閲覧すると、Cookie(ブラウザの閲覧記録を保存する機能)にフェイクアラートの情報が記録されてしまい、その後も繰り返し表示されるようになることがあります。その場合は閲覧履歴・Cookie・キャッシュを削除するようにしましょう。

『LINEで増加中の「投資詐欺」にご注意!主な手口と被害事例は?怪しいメッセージを受け取ったら返信せずに通報とブロックを!』はこちら

フェイクアラートの対処法

<フェイクアラートの特徴>

・大音量で警告音が鳴る
・画面が固まり、操作不能になる
・日本語が不自然である
・画面にサポートセンターなどの連絡先が表示されている
・偽のスキャン画像やカウントダウンが表示される
・警告画面が次々とポップアップ表示される
・トラブル解決のためと称し、個人情報の入力を求めてくる
・「今すぐ」「ただちに」「××秒以内に」などの表現を使い、緊急性の高さをアピールしてくる

サポート詐欺は相手の不安を煽り、冷静な判断力を失わせて送金に誘導することが狙いです。そのため上記のような特徴のある警告画面が出たら、基本的にはフェイクアラートだと考えてよいでしょう。

<本物の警告表示で使用されるメッセージ例>

・「偽のサイトにアクセスしようとしています」
・「このサイトのセキュリティ証明書には問題があります」
・「この接続ではプライバシーが保護されません」

本物の警告表示は、不審なサイトやアプリの検知を知らせるのみで、サポートセンターへの電話やソフトウェアのインストールなどの対応を求めることはありません。また、不審なソフトウェアをインストールしてしまった場合には、ウイルスの検出通知と対象のソフトウェアの削除を促すメッセージが表示されるのが一般的です。

反対にフェイクアラートでは、相手のパソコンを遠隔操作する狙いで何らかのソフトウェアのインストールを迫ってきます。表示されている警告が本物か偽物かは、この点でも判別ができます。

<フェイクアラートの消し方>

フェイクアラートが表示されたとしても、実際にパソコンにトラブルが発生しているわけではありません。そのままブラウザを終了すれば問題ないため、くれぐれも記載されている連絡先には電話しないようにしてください。

フェイクアラートの画面が消せない場合は、ブラウザを強制終了するか、パソコンを再起動することで対処できます。

フェイクアラートを消すには、以下の2通りの方法があります。

・キーボード左上の「ESC」キーを長押しし、ブラウザの「×」をクリックして画面を閉じる

・キーボードの「Ctrl」+「Alt」+「Delete」を同時に押した後、タスクマネージャーを起動させる。利用しているブラウザを選択して右クリック→「タスクの終了」を選択する

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