東日本大震災から13年。被災者が体験的アドバイス「もしもの時の心得10ヵ条」普段の生活から少しずつ
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実際に経験したからこそわかる、災害時に役立つ知恵。教えてくれるのはイラストレーターで防災士の資格も持つアベナオミさん。普段の生活から少しずつでも、準備できることがあると言います(文・イラスト=アベナオミ)
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あなたは杖、入れ歯、補聴器、眼鏡など身体の機能を補うものを使っていますか? 介護や介助が必要な家族は? 透析や酸素吸入など定期的な医 療ケアが必要な人はいますか? 親が施設にいる場合、災害時にどうするかもあらかじめ施設と話し合っておきましょう
自動車は冷暖房完備で、スマホの充電も可能です。自宅が危険な場合、車は一時避難場所になります。外出先で被災しても対応できるよう、懐中電灯、携帯トイレ、飴やクラッカー、飲料水、ウェットティッシュ、ひざ掛けなどをいつも車に備えておくと防災力がアップ! 大災害直後から給油できなくなるので、ガソリンは残り半分を切ったら給油する習慣を
就寝中に枕元に落ちてきそうなものは、寝具から遠いところに置きましょう。タンスは転倒しても寝具に当たらないように位置を調整。ベッドや布団の位置を変えるのでもOKです。出入り口を塞ぐ恐れのある家具は固定。懐中電灯やスリッパを枕元に置いておけば安心です。大きな揺れが来たら布団をかぶればシェルターに
地震で散らかったリビングから、貴重品などを探し出すことは想像以上に困難なもの。大切なものはすぐ見つかるところにまとめましょう。避難通路になる廊下や玄関も、買い置き商品の箱や荷物を置かないように。年を重ねると、重たいモノは動かしにくくなります。1日3捨てくらいの気持ちで整理しながら暮らしましょう
被災する前に避難することも検討しましょう。避難先と言えば近隣の指定避難所が思い浮かびますが、少し遠方の親戚や、県外の独立した子どもを頼ることも避難です。ライフラインが復旧するまで、被災地から離れた旅館やホテルで過ごすという方法も
避難所で配布されるのは、保存しやすいクラッカーなどがメイン。食料の備蓄をする時は「お気に入り」も用意しておくことをおすすめします。食べ慣れた食品を少し多めに買い置きするのは立派な備蓄です。災害時にいつもの味を口にできると、心身ともに癒やされます
東日本大震災後、水道の復旧には1ヵ月以上かかりました。流れないトイレを使うのは、家族同士でもストレスです。断水すると、避難所はもちろん、自宅でもトイレに行くのを遠慮して、水分を控えて脱水症状になったり、ストレスから便秘になる高齢者が多いもの。大人1人当たり、1日に5~7回分の非常用トイレが必要になります。できれば10日分以上あると理想的です
震災後の断水の際、給水所から水を持ち帰るのに苦労している高齢者をよく見かけました。空のタンクは運べても水を入れると重くなります。給水所の行き来には台車やキャリーカートを利用すると便利です。マンションの場合、停電でエレベーターがストップしていたら階段で重たい水を運ぶことに。高層階にお住まいなら普段から備蓄しておくほうが無難です
災害時は物流がストップするので、ペット用品ももちろん手に入りにくくなります。人間同様、エサや日用品は備蓄が必要です。電気ポンプや暖房が必要なペットは停電によって命の危機に瀕することも。非常用の電源確保、揺れによるケージや水槽の落下対策も必要です
被災後は、急に体調を崩したり、運動不足で筋力が低下することによる転倒でのケガも増えます。さらに生まれ育った場所が甚大な被害を受けたさまを目の当たりにして、その場で倒れてしまったり、認知症が急激に進行することも。災害により、高齢者が日常を失うことのダメージは大きいことを意識しましょう。
03/11 12:15
婦人公論.jp