高速道「追越車線に居座り」は「交通違反」? ぼんやり運転は「ダメ」! サンデードライバーが「勘違い」しがちな「ルール」とは

高速道路の追い越し車線を、ゆっくりと走り続けるクルマは、安全なように見えて道路交通法に違反しています。サンデードライバーがつい犯しがちな行為の何がいけないのか、解説します。

「サンデードライバー」がやりがち!? 無意識の違反が一番危ない!

 高速道路の追越車線をそのまま走り続けることは道路交通法違反に該当します。
 
 速度超過もなくただ単に安全に走行しているだけでも、どうしてダメなのでしょうか。

「えっ…!」高速道の追越し車線に「居座り」は交通違反です![画像はイメージです]

「えっ…!」高速道の追越し車線に「居座り」は交通違反です![画像はイメージです]

 追越車線とは、2車線以上ある道路の一番右側の車線のことを指します。

 高速道路以外の一般道や自動車専用道路であっても、標識や標示で通行の区分が指定されていない限り、2車線以上あれば、最も右側の車線は追越車線のルールが適用されることになります。

 その理由は、道路交通法第20条において、「車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない」と規定されているからです。

 最も右側の車線を通行できるのは、道路外の駐車場に入るときや右左折(分岐や合流)するとき、指定通行区分があるとき、進路を譲るとき、道路の状況その他の事情によりやむを得ないとき、そして追い越しをするときなどです。

 それ以外は原則、一番左(3車線以上ある場合は、最も右側以外の車線)の車線を通行しなければならないのです。違反すれば「通行帯違反」として、反則金6000円、違反点数1点が科されます。

 通行帯違反での検挙件数は意外と多く、内閣府の「令和5年版交通安全白書」によると、2022年に高速道路で通行帯違反によって検挙された件数は5万7011件でした。

 これは最高速度違反に次いで2番目に多い検挙件数に相当します。

「速度さえ守っていれば、別に大丈夫でしょ!?」では済まないのです。

右車線をできるだけ空けておく理由とは

 最も右側の車線を、追い越しなどの一時的にしか走行することができないようにしているのは、理由があります。

 例えば対向車との衝突を防いだり、スムーズな追い越しを行うことができたりするほか、渋滞を予防・緩和する効果などが考えられます。

週末になると「追い越し車線」が数珠つなぎになった状態で走るクルマが急増!ただし、 あわてて走っても目的地への到着時間はほとんど変わりありません[画像はイメージです]

週末になると「追い越し車線」が数珠つなぎになった状態で走るクルマが急増!ただし、 あわてて走っても目的地への到着時間はほとんど変わりありません[画像はイメージです]

 追越車線は、トラックなどの大型車が少なく、走りやすい傾向にあります。

 しかし安全で円滑な交通を守るためにも、しっかりと法律を遵守してきたいものです。

※ ※ ※

 たまの週末しかドライブしないサンデードライバーが注意しておきたい、見逃しがちな高速道路のルールはほかにもあります。

 高速道路を走行する際に注意したい交通違反としては、十分な車間距離を確保していない「車間距離不保持」や「駐停車違反」、路肩を走行する「通行区分違反」、そして左から追い越す「追い越し違反」などもあります。

 年末年始の長期休暇期間などは、帰省やレジャーなどで高速道路を走る機会も特に増え、不慣れなドライバーも多く走るようになります。

 忘れがちな交通ルールもしっかり守って、安全で楽しい年末年始にしたいものです。

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