2度目の鑑賞はしんどいかも……!衝撃的に胸糞が悪い名作「鬱映画」10選!

実際の事件を元に作られていたり、最終的に主人公が報われず悲惨な結末を迎えたり、気持ちが重くなりながらもつい観てしまうのが胸糞映画。鑑賞中はもちろん、鑑賞後も胸のざわざわが止まらない……そんな「胸糞映画」を10本厳選してご紹介!

『冷たい熱帯魚』(2010)

あらすじ:社本信行は小さな熱帯魚店を営んでいる。関係の冷え切った妻と、死別した前妻との娘に挟まれ、家庭は不協和音を奏でていた。ある日、社本は同業者の村田と知り合う。人当たりが良く、面倒見のいい村田と親しくなっていくが、実は村田は連続殺人犯であった。それに社本が気づいた時には、すでに取り返しのつかない状況に陥っていたのだった。監督は『新宿スワン』(15)などの園子温。主人公・社本を吹越満、村田をでんでんが演じている。登場人物全員がとにかく狂気に満ちており、欲望を満たすためには手段をもいとわない。本作は実際の事件を元に作られており、その事実を知って一層気分が重くなる作品であある。

『ボーはおそれている』(2023)

あらすじ:日常の些細なことでも不安になる男・ボー。ある日、さっきまで電話で話していたはずの母が怪死した。母の元へ向かおうとするが、ボーの身に奇妙で予想外の出来事が次々に降りかかる。帰省はいつしか、壮大な旅に変貌していくのだった。監督は『ミッドサマー』(19)などのアリ・アスター。主人公・ボーは『ジョーカー』(19)などのホアキン・フェニックスが務める。一見何ともない世界も、ボーの目を通してみると、何だか恐ろしく見えてくる。約3時間、ボーの見る世界に浸った後は、これまで見ていた世界には戻れなくなりそう……。

『みなに幸あれ』(2023)

あらすじ:看護学生の“孫”は、思いがげず田舎に住む祖父母に会いに行くことに。久々の再会に家族水入らずの時間を過ごすが、孫はどこか違和感を覚える。祖父母の家には“何か”がいると。そしてある時から、人間の存在自体を揺るがす、根本的な恐怖が迫って来る。監督は本作が商業映画監督デビューの下津優太。主人公・孫を『偶然と想像』(21)などの古川琴音が演じる。「誰かの不幸の上に、誰かの幸せは成り立っている」という根源的なテーマを元に、幸せの核心を描く本作。ただ怖いだけでなく、人間そのものが恐ろしく感じるような新しい恐怖を感じる作品となっている。

『MOTHER マザー』(2020)

あらすじ:秋子は、ゆきずりの男たちと関係を持つことで、その場しのぎの生活を送る自堕落で奔放な女。彼女には幼い息子・周平がいた。幼い周平は学校へも通わせてもらえず、頼れる者は秋子だけだった。17歳に成長した周平は、ひたすら秋子に従うようになっており、身内からも絶縁された親子には“ある感情”が生まれていた。それは、周平を殺人事件へと向かわせるのだった。監督は『セトウツミ』(16)などの大森立嗣。秋子を『パレード』(24)などの長澤まさみ、周平を『君は放課後インソムニア』(23)などの奥平大兼が務める。実際に起きた事件に着想を得た本作は、親子であるが故に生まれてしまう感情・関係を、残酷なほどリアルに描いている。

『死刑にいたる病』(2022)

あらすじ:ある日、大学生・雅也の元に、世間を震撼させた連続殺人鬼・榛村からの手紙が届いた。24件の殺人容疑で逮捕され、うち9件の事件で立件・起訴・死刑判決を受けた榛村だが、「最後の事件は冤罪だ。犯人は他にいる事を証明して欲しい。」と訴える。雅也は、榛村が犯行を行っていた頃営んでいたパン屋に通っており、当時は信頼を寄せていた。雅也は榛村の願いを聞き入れ、独自に事件を調べ始めるが、そこには想像をも超える事件の真相が待っていた。原作は櫛木理宇による同名小説。監督は『孤狼の血』(18)などの白石和彌。連続殺人鬼・榛村を『シャイロックの子供たち』(23)などの阿部サダヲ、大学生・雅也を『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(23)などの水上恒司が演じる。サイコパスとはまさにこの事だ、と頭で理解するよりも実感できる作品。本作では、人たらしな面もサイコパスの特徴であり、気付いた時にはもう手の上に……という状況を見事に描き切っている。

『母なる証明』(2009)

あらすじ:子どもような心を持つ青年・ドジュンは、田舎町で母と二人、貧しいながらも幸せに暮らしていた。しかし、女子高生が無惨な姿で殺される事件が発生。ドジュンが容疑者となり逮捕されることに。息子の無実を信じて疑わない母親は、自ら真犯人を探すべく奔走するのだった。監督は『パラサイト 半地下の家族』(19)などのポン・ジュノ。母親を『まぶしくて ―私たちの輝く時間―』(19)などのキム・ヘジャ、息子のドジュンを『アジョシ』(10)などのウォンビンが務める。社会問題を織り込み、誰が悪いのか、何が正義なのかを改めて考えさせられる本作。母としてどんな形でも息子を愛し、守ろうとする姿に、狂気を感じながらも目が離せない。

『トガニ 幼き瞳の告発』(2011)

あらすじ:美術教師のイノは、田舎町の聴覚障害者学校に赴任した。直後から、校内の異様な雰囲気に気付いたイノは、生徒たちが教師から虐待されている事を知り、人権センターのユジンと告発に向けて動く。しかし、警察と癒着する校長たちからの妨害を受けるようになるのだった。監督・脚本は『怪しい彼女』(14)などのファン・ドンヒョク。主人公イノを『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』(17)などのコン・ユ、ユジンを『82年生まれ、キム・ジヨン』(19)などのチョン・ユミが演じる。韓国で実際に起きた事件を題材にした本作をきっかけに、事件は再検証され、子どもへの性暴力の処罰に関する改正案が“トガニ法”と名付けられた。社会をも動かす程に、残忍で悪質な犯行を描いた作品となっている。

『セブン』(1995)

あらすじ:ベテラン刑事のサマセットと、新米刑事のミルズは、猟奇連続殺人事件を追っていた。これまでの2つの現場に残された文字から、キリスト教の「七つの大罪」に結びつけ、関連する人物を狙っていることを突き止める。まだ事件は続くと考えた2人は、次の標的を予測し、犯人を追っていくのだが……。監督は『ファイト・クラブ』(99)などのデヴィッド・フィンチャー。サマセットをモーガン・フリーマン、ミルズをブラッド・ピットが演じている。本作は、堕落した人間が犯すとされ、全ての罪の根源となる「七つの大罪」がテーマとなっている。罪を犯している人間を手にかける犯人は誰なのか、そして真の目的とは何なのだろうか……。

『ヴィレッジ』(2023)

あらすじ:とある集落・霞門村に住む片山優は、かつて父が起こした事件の汚名を背負い、母の借金の支払いに追われ、希望のない日々を過ごしている。霞門村には神秘的な「薪能」の儀式が行われる山があり、その近くには大なゴミの最終処分場が聳え立っており、優はそこで働いていた。ある日、幼馴染の美咲が東京から戻り、再開を果たすが……。監督・脚本は『余命10年』(22)などの藤井道人。主人公・優を横浜流星、美咲を黒木華が務める。村という閉ざされた場所で起こる同調圧力を描いた本作は、日本人の極めてネガティブな側面を、“霞門村”という村を舞台にし、描き切っている。

『胸騒ぎ』(2022)

あらすじ:デンマーク人夫婦のビャアンとルイーセは、娘のアウネスと共に休暇で訪れたイタリアで、オランダ人夫婦のパトリックとカリン、息子のアーベルと出会い意気投合する。休暇後、ビャアンらデンマーク人夫婦は、パトリック夫婦の自宅へ招待を受け、人里離れた彼らの家を訪れることに。再開を喜んだのも束の間、会話の中から些細な誤解や違和感が生まれていく。彼らの“おもてなし”に居心地の悪さと恐怖を覚えるビャアンとルイーセだったが、週末が終わるまでの辛抱だと自分達に言い聞かせるが……。監督は、俳優・脚本家としても活動し、『アフター・ウェディング』(06)などの出演作があるクリスチャン・タフドルップ。デンマーク人夫婦のビャアンとルイーセをモルテン・ブリアン、スィセル・スィーム・コク、オランダ人夫婦のパトリックとカリンをフェジャ・ファン・フェット、カリーナ・スムルダースがそれぞれ演じる。パトリックたちの目的は何なのか、ビャアンたちは週末を乗り切れるのか、最後まで目が離せない。本作は2024年5月10日(金)公開予定となっている。 
※2024年4月25日時点の情報です。※最新の配信状況は、各動画配信事業者の公式サイトにてご確認ください。

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