【テスタのエッセイ 第9回】50億円投資家 自分の方法に確信を持てた瞬間

08/06 00:40 au Webポータル

大きな成功を収めている個人投資家のテスタ氏だが、ある瞬間に自らの投資の考えに確信が持てたという。またこれまで桁違いの利益を上げてきた中で、今でも忘れることができない感動した場面を振り返った。最近良くも悪くも話題に登ることが多い仮想通貨投資の経験や、考え方についても明かす。(随時掲載)

期待値理論

人気投資家のテスタさん YouTube「公式テスタの部屋」より

小さい頃の自分は、お金を親にもらっても全部ゲームセンターで使っていたので、貯金するタイプではなかったですね。あったらあっただけ、全部使うタイプ。

お小遣いはいくらもらっていたのか全然覚えていないですけど、親の機嫌がいいときにもらったりしても、その次の週にはお金が全くないみたいなことが当たり前でした。学生なんてそんなものだと思うんですけど、 例に漏れずお金はなかったですね。

お年玉は、親が預かる形になっていたかなと思います。でももらうたびに使っていたんで小遣いのときと多分一緒でしょうね。もらったお年玉も多分、ゲームを買ったりとか大きい買い物ができたとかそんな記憶が残っています。

初めてお金を稼いだのは高校1年生の時のアルバイトでした。友達が働いてた工場がタケノコやかいわれ大根みたいなのを作って販売していたんですけど、春休みと夏休みに個人的に働かせてもらいました。

若い時代はゲームとパチンコが好きでした。ゲームで対人心理とかの大事さを実感して、今はそれを株に活かせているなと思います。パチンコの場合は「期待値理論」と言われるものがあるんですけど、それが取引に生きていますね。デイトレーダーは、パチンコやスロットの経験者が多いんですけど、構造が似ている部分が多いと感じます。

本との出合いで得た確信

株をやって何年目かのときに、「バフェットとソロス」という、2大投資家と言われる人を取り上げた本を読んだんです。この2人は全然違うアプローチで株をやっているんですが、ただどっちもすごく成功していて、この2人のトレードは全然違うものに見えるけど、何かしら勝つための共通点があるんじゃないか?というのをテーマにした本なんです。

それを読んだときにわかったことは、バフェットとソロスの共通することとして、期待値があることだけを繰り返しやっていくということでした。そうすると、「おのずとトータルプラスになる」というような内容がありました。

その時に、「自分もこの考えでやってきてたんだ」と確信できた記憶があります。「(バフェットやソロスの考えと)一緒じゃん」と思って。パチンコとかの考え方と一緒だと。自分がやっていることもきっとそうなんだと、それまでも毎年勝っていたんですけど、そのときに初めて「勝つべくして勝っているんだな」と確信しました。

それに気づいたときは嬉しかったし、安どもありました。それまで、何で勝てているかも分からなかった面がありました。「結果は出ているけど、果たしてそれが正解なのか。一寸先は勝てなくなるんじゃないか」と、ずっと思いながら毎日試行錯誤していましたから。だからそれを読んだときに「すごく偉大な投資家も、結局やっていることは同じなんだ」と思えた。

つまり勝つためにはそれをするしかないし、それさえすれば、勝てるんだっていうのは、すごく腑に落ちたので、だから自分も運じゃなくて、ちゃんと実力で勝っているんだと思えたのはすごく大きかった。そこから先もやっぱりその確信があるから、ブレずに、精神的に安定してできたというのはあります。

本当に二度三度とこの本は読みましたが、そのぐらい繰り返し読んだのはこの本だけです。重ねて読むとまた違う気づきがあったりするんです。ただ、僕はデイトレードなどの経験をしてきた上で読んだのですごく良かったと思えましたが、初心者の方がこの本を読んだからといって、意味があるものになるかというと、ちょっと違うかもしれません。

「減らしたくない」の一心

みんなそうだと思うし、日本人は特に多いと思うんですが、「とにかく怖い」とか「1円も減らしたくない」とか、「毎日ちょっとずつでもいいから勝ちたい」という思いが根本にあって、そんなにたくさん稼げなくてもいいけど、毎日コツコツ、ちょっとずつ増えていくのが理想なんです。

なのでデイトレードや、デイトレードの中でも一番時間軸が短いスキャルピングに特化しました。それを10年間ずっとやって、10億円ぐらいにまでなったんです。そのときにはスキャルピングは、少なくとも個人投資家で一番上手と言われるようになっていた気がしますが、でも本当に株が上手い人たちは、そのぐらいの資産になったらスキャルピングを捨てて別のことをやるようになるんですよね。でも自分にはそれが怖かったり、性格的に「小さくコツコツ」が好きだったりしたので、10億円になるまでずっとスキャルピングばっかりやっていたんです。

なので結局、上手い人たちはやめていくけど、上手くないのでずっと続けてたから、結果スキャルピングの中ではトップクラスと呼ばれるぐらい上手くなっただけで、下手だから残っていたっていう感じです。

僕はスキャルピングで10億円までいった人を他に見たことはないですけど、スキャルピング以外で10億円に到達した人はたくさん見てきたんです。構造的に、たくさん資金を増やすためにはどこかで(スキャルピングから)脱却しないといけないんですけど、僕はそれが一番遅かった。上手だったから10億円にいったわけじゃなくて、遅かったから結果的に10億円に達しただけなんです。

僕がスキャルピング出身なのに、中長期とかもやって資産を増やしてすごいって言ってくれる方たちもいるんですけど、実は全然そうじゃなくて。ギリギリまでスキャルピングにすがって、でもどうしようもないから、別のことをやりだしたんです。結果的にそれでスキャルピングやデイトレの歴が長かったから、「デイトレの人」とか「スキャルピングの人」みたいに認知されているだけです。結局は、下手なんだと思います。

子供のときにお小遣いとかをすぐ使っちゃっていたのと、トレードするようになってからの考え方の違いは、人からもらったものか、自分で稼いだかの違いかもしれないですね。あぶく銭じゃないですけど、やっぱり自分で頑張って稼いだお金とは重みが違うんじゃないでしょうか。もらったやつは全部使ってもいいけど、自分で稼いだやつは減らしたくないと思うんだと思います。

今でもとにかく、「減らしたくない」の一心でやっています。1億円から1億円を増やして2億円にするのと、1億円から1億円減らしてゼロにするのとでは、全然人生変わっちゃうわけですよね。別に1億円が2億円になっても、そんなに変化はないかもしれないですけど、1億円がゼロになったらすごい変化になってしまいます。だから、やっぱり減らしてしまう方がしんどいんですよね。

とにかく、増やすことより減らさないことを一番意識して、昔はそれが1円でも減らさないことでしたけど、今は「大きく減らさない」ことに変わったという感じです。トレードの時間軸が伸びてどうしても勝ち負けの幅も大きくなるので、負けることは多々あるんですけど、それでも自分の資産に対してパーセントで大きく減らさないことをまず第一の目標にして、そのためにはどうするのが一番いいのかを考えてやっています。

仮想通貨の経験

仮想通貨のトレードは過去に1週間だけやったんですけど、そこでやめてからは触っていないですね。1週間だけの短い時間ですけど、自分の中では「これは駄目だな」と思いました。すごく仮想通貨が盛り上がっていたときで、何かのコインが上場するというような形になったときに、そのときについた時価総額を調べたんです。そしたら、とんでもない時価総額になっていたので、「これはもう、そんなわけない」と思いました。時価総額で考えて株に当てはめたときに、株はちゃんとした会社があって、利益を得ているからこその時価総額なのに、そのコインはまだ何にもしてないのに大手企業と同じぐらいの時価総額がついていたんです。「これは長くはないな」ってその時思ったんですよね。なので途中で見切ってやめました。

でもビットコインといった主要なものは、そのときからどんどん上がっていったと思います。なので、ビットコインなどの方に目を向けていたらまた違ったかもしれないですね。単純に仮想通貨独特の動きなどを見たときに、「インチキ」というわけではないんですが、やっぱり理解できなかったり、ありえない金額がついちゃっていると感じたりしたので、不利だなと思いました。

それに加えて税金の問題があります。僕がやると課税はすぐ50%水準になってしまうと思うんです。負けたら100%払う、勝ってもそこから50%は払わないといけないというのはしんどいなと思ったので、やらなかったですね。

投資をするときはリスクをまず考えるので、会社の場合だと土地を持っていたりとか資産を持っていたりとか、現金でこれだけ持っていたりとかで、「この株価はどう考えても安いだろう」という水準がある程度計算できるんです。例えば1000億円持っている会社の時価総額が1000億円以下だったら、「それはさすがに下げ止まるでしょ」というように考えることができるんですが、仮想通貨だと僕にはそれができなかった。リスクの計算ができなかったんです。だから、どこまでいったら最低限の価値なのかっていうことが、どこにあるか分からなかったので、それがもし「0」であるならば、株とかと比べてとんでもなくリスクがあるっていうことになっちゃうんです。

仮想通貨はリスク面と、リターンが出ても50%になるので興味が湧かないという感じです。僕の場合、投資のベースは株なので株と照らし合わせるんです。株と比べて仮想通貨の方がいいと思えたらやっていたでしょうけど、そう思わなかったので、やっていないということですね。

投資人生 一番の感動

資産1億円を達成した日のブログ テスタのブログ-目指せ利益70億から

株をこれまでやってきて感動した思い出なんですが、資産が1億円に達したときがいまだに一番です。それを上回ることは一生ないと思います。資産が別に100億円になっても、それ以上になっても、やっぱり1億円を達成した瞬間より嬉しいということはないと思いますね。

僕がトレードを始めたとき、そんな数百万円しか持ってない人間が、1億円なんて夢のまた夢どころか夢とすらも思えなかったです。今でこそ資産7億円とか数十億円みたいな人がたくさんいるから、「1億円が目標」って考えることもできると思いますけど、当時は1億円以上持っている人なんてほとんどいないという世界でした。「1億円ならカリスマトレーダー、カリスマ中のカリスマ」「数千万円でも十分カリスマだ」という時代。歴史がまだまだ浅かったんです。

普通最初は自分がカリスマみたいなレベルになれると思わないですから、資産が何千万円とかになるとも思っていなかったです。「とにかくこれで生活できればいい」「毎月生活できれば、お金がちょっとずつでも増えればこんないいことはないな」ぐらいの思いだったんです。

最大の目標として、「もし毎月100万円とか平均で勝てたら、もうどれだけ使ったってお金が余るじゃないか」と思っていたことはありました。もし叶ったら、それこそ夢のような話しだという感じですね。毎月100万円を稼いでその半分を使っていたら、年間では600万円貯められますが、それを積み重ねて1億円をつかめるようになるには15年とか、20年近くかかるわけですよね。そんな20年もかかるようなことを、トレードし始めて1年目2年目で目標として持つことはなかったです。僕が初めて1億円を意識したのは、資産が9000万円を超えたときでした。

それまで「1億円にいける」なんて一度も思っていなかった。だから「9000万円」という数字になった瞬間に、「もしかしたら1億円いけるのかな」と思ったのは覚えています。達成した日は、普段からやりとりしていたチャットメンバーとかがいて、みんなが祝福してくれたことがすごく嬉しかった。投資の記録をつづっていたブログに書いたときもやっぱり、嬉しかったですね。その直前までずっと9700万…800…900と毎日のように数字を見て1円単位で計算していたし、1億円に達した瞬間は、信じられないという気持ちが大きかったです。1億円というのはやっぱり特別な意味がありますね。

1日で100万円勝ったときが二番目に嬉しかったです。その二つですね。10万円単位での勝ったり負けたりは、比較的早い段階で経験していたんですけど、1日に100万円勝つっていうことは、始めてから何年もなかったことでした。

1カ月トータルで利益100万円とかはあっても、1日に利益100万円なんて、全然考えられない世界でした。それでも先人たちの足跡を見ていたから、そういうことも達成できるかもってやっているうちに思えたんだと感じています。僕はネットトレーダーでは後発組の第2世代なので、第1世代の人たちには感謝しています。

毎日300個ぐらい、その先人たちのブログをずっと読んでいました。彼らが先に株を始めて毎日書き記してくれたからこそ、僕がそれを読んで始めることができたので、感謝ですよね。その人たちは多分、何にもないところからやっていたりするわけですから、僕とは全然難易度も違うと思います。本当に、タイミングが良かったなと思います。

プロフィール

2005年から800万円の資金で株取引をスタート。リーマンショックなど大荒れの相場も乗り越え資産を増やし続け、これまでの累積利益は約50億円に。テレビ東京朝の番組「モーサテ」(月-金 5時45分-7時5分)内の、著名投資家に市場の話題や相場の注目点を聞くコーナー「トレーダーズvoice」に出演。

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