民放テレビ各局のパリ五輪事前放送で判明した「不人気競技」と「意外な人気競技」

7月26日からパリ五輪が開幕。各競技は代表選手が出揃い、後は本番を待つのみとなっているが、各テレビ局のスポーツ番組では競技間の人気、不人気の格差が激しいという。

「現状、各局の事前取材では消極的な競技の1つ・馬術は、管轄する広報担当者が7月上旬、マスコミを集めた説明会をおこないました。約100人集まった記者の前で突然『これまでに馬術を取材されたことがある人はおられますか?』と聞いた。ところが、挙手した人はゼロだったことに、相当なショックを受けていました。

担当者は続けて『練習拠点はイギリスで、東京五輪のときも取材してもらえず……。私が近日、現地に行きますので頼んでもらったら何でも聞いてきますし、撮影もしますから何とか取り上げてください!』と猛アピールしていました。あまりの必死さに、こちらが申し訳ない気持ちになりましたね」(スポーツ紙五輪記者)

一方で、日本ダンススポーツ連盟は今回の五輪で正式採用された新競技・ブレイキンの金メダリスト候補、半井重幸選手(Shigekix・22)が時間を割いて説明会に登場した。

「説明会は他の競技の広報、強化担当者も出席していましたが、選手が実際に登場したのはブレイキン競技だけ。担当者も原稿棒読みではなく、できるだけ楽しく、分かりやすいように説明をしていましたし、短時間でしたが、半井選手本人への質問も受け付けるなど、注目度の高さと同時に競技アピールにも成功したと思いますよ」(前出の記者)

一方で、各民放テレビ局から人気が高いのが自転車競技だという。こちらは国内の練習拠点が静岡・伊豆の国市と交通のアクセスは不便なのになぜなのか。

「バックアップしているのは公営競技の競輪です。そのため、潤沢な予算から強化費が出ているため施設は立派で、選手が実力をつけられるよう海外遠征も多いのです。テレビ局が重宝している点は、代表選手が海外の試合に出た際の映像使用料金を競輪側が負担しており、実質的に無償で提供していること。このためどのテレビ局も“低予算でパリ五輪ネタを放送できる”と考え、スポーツ番組では自転車競技が取り上げられることが多いです。資金力の差は大きいですよ」(在京テレビ局関係者)

どのテレビ局も、スポーツの祭典・五輪とはいえ、経費削減に迫られている。

「各局で顕著なのは、現地まで行って稼働するスタッフを軒並み減らしたこと。解説者、ゲストなどの出演者もパリのル・ブルジェにあるIBC(国際放送センター)ではなく、都内のスタジオから対応することも前大会より増えるそうです」(前出の記者)

注目度に差はあれど、各競技での日本代表選手の活躍に期待したい。

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