「もっと頑丈に作るべき」パリ五輪金メダルの金具が壊れリボンと分離…米女子サッカーFWが苦情…首からかけられず「世界で最も高価なコースター」になり果てる

 またパリ五輪のメダル劣化問題に新たなクレームが出た。女子サッカーで金メダルを獲得した米国代表メンバーのリン・ウィリアムズ(31)がリボンとメダルをつないでいる金具部分が壊れて「世界で最も高価なコースター」化してしまったことを自らのTikTokで明かした。「もっと頑丈に作るべきだった」と訴えるウィリアムズは、パリ五輪組織委員会に交換を申し出ているという。パリの造幣局が製造した五輪のメダルを巡っては劣化や交換を訴える選手が相次いでいる。

 パーティで踊っていて金具が壊れて落下

 アスリートの汗と涙の結晶のメダルにまた問題が発生した。今度はリボンとメダルをつなぐ部分の金具が壊れて首からかけることができなくなったという苦情。女子サッカーの準々決勝で日本を1対0で破り、その勢いのまま金メダルを獲得した米国代表チームのウィリアムズがTikTokの動画で訴えた。ウィリアムズは日本戦でも延長に入った場面で途中投入されたFWだ。
「どうやってメダルが壊れたか?どうやって世界で最も高価なコースターを手にすることになったか?」
 料理をしながら、そう切り出したウィリアムズは、ブルーのリボンが取れてしまい「世界で最も高価なコースター」化してしまったメダルを画面に示し「メダルには、小さな紐がついていて、端の部分にはリボンを首にかけるためのバー(金具)があったの」と、その破損個所を示した。
 ウィリアムズは8月11日に自らのインスタグラムへ投稿した写真でパーティーの最中にリボンとメダルが分離してしまったことを報告していた。だが、その前にまるで、ハンマー投げのようにしてリボンを持ってメダルをグルグルと回してはしゃいでいる映像も投稿しており、今回は、その映像を再度紹介した上で「私が円盤投げをするふりをしてリボンを振り回しているのを見たでしょう? 皮肉なことにそれで壊れたわけではないのよ」と説明。
 パーティーでメダルが落ちた瞬間の話を詳細に伝えた。
「(メダル)を小さな財布みたいに肩から下げて、ただ踊ってジャンプしていたの。確か『チーター・ガールズ2』の 『Strut』がかかっていた時だと思う。ジャンプして飛び降りた瞬間にメダルが落ちたの。私はすぐに落ちたメダルを探して歩き回ったわ。何が起きたかはわからないけれどバー(リボンをメダルとつなぐ金具)が緩んでしまって落ちたの。今はへこみができているので、このメダルは間違いなく世界でひとつだけのものなったわね(笑)」
 そう皮肉を交えてリボンとメダルが分離してしまった理由を説明した。
 本来メダルはもっと大事に扱うべきで、メダルをかけたまま激しくダンスをして壊れてしまったのは、「ウィリアムズの自業自得だ」との声もあるが、メダル劣化の報告が相次いでいることもあってか、本人はメダルの品質と耐久性について、こうクレームをつけた。
「もっと品質を良くすべきだった。もっと頑丈にすべきだったと思う。正直なところ、私に責任はないわ。修理してもらえるかどうかはわからないけれど、IOC(国際オリンピック委員会)からの連絡を待っているところよ」。
 パリ五輪組織委員会は、鑑定をした上で交換に応じる姿勢を示している。ウィリアムズによると「メダルの破損を証明できれば新しいメダルを手にすることができる可能性が高い」と伝えられたという。

 

 今大会ではメダルの劣化などの苦情を訴えるメダリストが後を絶たない。
 メダルの劣化を最初に報告したのは、男子スケートボードのストリートで銅メダルを獲得した米国代表ナイジャ・ヒューストン。インスタに動画をアップして「新品の状態ではとても良く見えたのだけれど、少し汗をかいた状態で肌に触れたり、週末に友人たちに着けさせたりしたところ思ったほど高品質ではないことがわかった。これを見てほしい。荒れた感じになっている」と伝え、光沢が失われ、所々が欠けたようになったメダルを報告した。
 さらに女子シンクロ板飛び込みで銅メダルを獲得した英国代表ヤスミン・ハーパー、バドミントン男子シングルスで連覇を遂げたデンマーク代表ビクトル・アクセルセン、女子7人制ラグビーで銅メダルを獲得した米国代表イロナ・マーハ、フェンシング男子フルーレ個人で銅メダルを獲得した米国代表ニック・イトキンらが異常を報告。豪州女子競泳界のスターで金2つ、銀2つを獲得したアリアン・ティットマスまで「首から下げたメダルが重なっただけで傷ついた」と嘆いていた。
 またすでにパリ五輪組織委員会に交換に応じてもらっているメダリストもいてボートの男子ダブルスカルで銅メダルを獲得したアイルランド代表のデア・リンチとフィリップ・ドイルの2人は、「ボロボロに壊れてしまった」と報告し、すでにパリ五輪組織委員会が、そのメダルを回収したことを明かした。
「メダルのどこがおかしいのかを知りたいんだろう」
 今大会のメダルは、エッフェル塔の改修時に保存してあった鉄柱の一部がメダルに使われているのも“売り”で、パリ造幣局が約5000個製造した。
 最後にウィリアムズは、「クールで面白い話だわ」と言い、首からかけることのできなくなったメダルの問題をまとめたが、28日から始まるパラリンピックでも同じような問題が発生するとすれば「面白い話」では済まないのかもしれない。

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