「トップ10にかなわない」発言の錦織圭、強豪との激闘後は「心の中ではあまり思ってない」と修正

 テニス・木下グループジャパンオープン男子第5日(29日・東京有明テニスの森公園=読売新聞社後援)――シングルス準々決勝が行われ、元世界ランキング4位で過去2度優勝の錦織圭(ユニクロ)は、第6シードのホルガ・ルネ(デンマーク)に6―3、2―6、5―7で逆転負けした。車いす部門のシングルス決勝で、パリパラリンピック金メダリストの小田凱人(東海理化)は、同銅メダルのグスタボ・フェルナンデス(アルゼンチン)を6―3、6―4で下し、2連覇を果たした。

シングルス準々決勝で敗れた錦織圭(29日)=鈴木竜三撮影

 会場を埋め尽くした観衆からの大声援を受け、錦織は世界ランク14位のルネを追い詰めたもののあと一歩及ばず、2時間16分の激闘の末に4強入りを逃した。

 「トップ5にいてもおかしくない」と語っていた新進気鋭の21歳に対し、先に主導権を握った。最終セットも相手の逆をつくボレーや絶妙のロブを決めるなど卓越した技術でポイントを重ね、競った展開に持ち込む。5―3とリードして迎えたリターンゲームでマッチポイントを握ったが、ここで試合を決められず、そこから4ゲーム連取された。

 それでも、けがからの復帰途上で迎えた大会で上位選手と互角に渡り合い、「タフな相手といい試合ができた」と振り返る表情は明るかった。大会前の「トップ10に到底かなわない」とのコメントを「心の中ではあまり思っていない」と修正する一幕も。完全復活に向け、しっかりと手応えを実感していた。(西村海)

シングルスで優勝した小田凱人(29日)=鈴木竜三撮影

「本当に見たかった景色が現実となった」

 2連覇を達成した小田は大勢の観客が入ったセンターコートで大歓声を浴び、「本当に見たかった景色が現実となった」と感慨深げ。一進一退の攻防から持ち味のリターンエースで流れをつかみ、ストレート勝ちした。「パラで一段落したが、ここまでが『第1章』と思っていた」と振り返り、「今までより難しい戦いになると思うが、常に表舞台に出て活躍し続けたい」と意気込みを新たにしていた。

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