東京農大・前田和摩、スピード磨いて1万m日本歴代5位…2年目の駅伝シーズンへ

 大学男子の陸上長距離は、10月14日の出雲全日本大学選抜駅伝から駅伝シーズンに入る。11月3日には全日本大学駅伝が行われ、各校の勢力図が見えてくる。クライマックスは、来年1月2、3日に行われる第101回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝=読売新聞社共催)だ。学生たちは春のトラックシーズンにスピードを磨き、夏の鍛錬期にスタミナを蓄えてきた。前田 和摩(かずま) (東京農大2年)ら、これからの駅伝シーズンで活躍が期待される選手たちを紹介する。(田上幸広)

日本選手権1万メートルで3位に入った東農大の前田和摩

 パリ五輪代表選考会を兼ねた5月の日本選手権1万メートルで、日本歴代5位の27分21秒52で3位に入った。

 いずれも五輪代表になった優勝の葛西潤(旭化成)、2位の太田智樹(トヨタ自動車)には及ばなかったが、佐藤圭汰(駒大3年)のU20(20歳未満)日本記録を約7秒更新し、「最大限の走りができて、うれしく思っている。正直、ゴールしてびっくりした部分もあった」と好記録を喜んだ。

 昨年10月の箱根駅伝予選会で日本人トップの個人9位となり、チームを10年ぶりの箱根路に導いた。しかし、今年1月の箱根駅伝では故障の影響で7区13位に終わった。その反省を踏まえ、今年は体作りにも取り組み、再びスピードを磨いてきた。日本選手権での快走は、類いまれな潜在能力の高さを改めて証明した。

 今回はパリ五輪には届かなかったが、世界大会への意欲を新たにした。「これまでもテレビで見てきて、自分もその舞台で勝負したいと思っていた。1万メートルやマラソンで五輪や世界選手権を目指していきたい」。自らを鍛える過程で、駅伝にも貪欲に取り組む。

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