青山学院大・鶴川正也、故障続きだった逸材が狙う駅伝ラストイヤー…トラックシーズン好調

 大学男子の陸上長距離は、10月14日の出雲全日本大学選抜駅伝から駅伝シーズンに入る。11月3日には全日本大学駅伝が行われ、各校の勢力図が見えてくる。クライマックスは、来年1月2、3日に行われる第101回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝=読売新聞社共催)だ。学生たちは春のトラックシーズンにスピードを磨き、夏の鍛錬期にスタミナを蓄えてきた。鶴川正也(青山学院大4年)ら、これからの駅伝シーズンで活躍が期待される選手たちを紹介する。(田上幸広)

関東学生対校選手権男子5000メートル(2部)で優勝した青学大の鶴川正也

 期待されていた逸材が、ようやく本領を発揮し始めた。5月の関東学生対校選手権5000メートル(2部)で、13分36秒41で他校の留学生を抑えて優勝。6月の日本選手権5000メートルでは、13分18秒51をマークして4位に入賞した。

 熊本・九州学院高時代は2020年の全国高校駅伝1区で区間賞を獲得するなど活躍し、鳴り物入りで強豪チームに入ってきた。しかし、大学では故障が多く、3大駅伝では昨年の出雲で6区を走り、区間7位だったのが唯一の記録だ。

 その出雲駅伝の後に 大腿だいたい 骨を疲労骨折した際には、「何のために大学に入ったんだろう。(陸上を)やめようかな」と悩み、眠れない夜もあった。それでも、チームメートや家族から「来年こそ頑張ってほしい」と応援されて踏みとどまったという。

 今年1月の箱根駅伝でチームが総合優勝した際にも「素直に応援できなくて、そんな自分が嫌だった。うれしかったけど、9割は悔しかった」と複雑な気持ちを抱えていた。

 4年生になった今季は「自分が引っ張らないといけない」と自覚が生まれ、「私生活や行動も変わってきた」と自己分析する。「箱根駅伝で活躍したいという気持ちで青学に入った。けがと故障だけには気をつけて、来年の1月2、3日までやっていきたい」。有終の美を飾るつもりだ。

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