元大関貴景勝「横綱に手をいっぱい伸ばしたが、届きませんでした」…「素晴らしい相撲人生だった」

 現役を引退し、年寄「湊川」を襲名した元大関貴景勝(28)(兵庫県出身、常盤山部屋)が21日、記者会見を開き、「小学校3年生から相撲を始めて、横綱になることを夢見てきた。それを目指す体力、気力がなくなった」と引退の理由を説明し、「横綱になることだけ考えて、手をいっぱい伸ばしたが、届きませんでした」と振り返った。

引退を決めて記者会見する元大関の貴景勝(21日)=米山要撮影

 通算4度の優勝を果たしたが、綱取りに挑んだ場所でケガに見舞われるなど、ついに横綱昇進を果たせず。「横綱の景色を見たかった。横綱になるためにやるべきことはすべてやったと思う」と話し、「燃え尽きた。素晴らしい相撲人生だった」と悔いは残さなかった。師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)は「やると言ったら必ずやる。大関になってケガが多くても一生懸命やった」とねぎらった。

 現役最後の相手は、自身の付け人を務めたこともあった王鵬。長く目をかけ、埼玉栄高の後輩でもあった。「最後は王鵬でよかったと思う」と話し、すっきりした表情を見せた。

 今後は部屋付きの親方として後進の指導にあたる。「武士道精神を持った、根性、気合を持った力士を育てたい」と話した。

ジャンルで探す