「東大・官僚」出身の市長と金髪スケーター、Xゲームズが紡いだ絆…「優勝するんで」と宣言

 「X Games Chiba 2024」(Xゲームズ千葉大会)が千葉市の幕張メッセであす20日、開幕する。19日には前日記者会見が行われたが、その直前に、千葉市の神谷俊一市長を、市長がファンを公言するスケートボード男子ストリートの白井空良(ムラサキスポーツ)が訪ねた。(デジタル編集部 古和康行)

市長の配慮に「優勝するんで!」

「こんにちわー!お久しぶりでーす!」

神谷俊一・千葉市長(左)と握手する白井空良(19日)=松本拓也撮影

 記者会見が始まる30分前、幕張メッセに設けられた神谷市長の控室のドアを白井がノックした。神谷市長も立ち上がり、駆け寄って握手した。神谷市長が「オリンピック……いろいろな思いがあると思いますけれど……。Xゲームは頑張ってください」とパリ五輪で4位に終わった白井を (おもんぱか) ると、白井は「(今大会は)優勝するんで!」と白井節全開で応じた。

Xゲームズ千葉大会を前に神谷俊一・千葉市長(手前)と談笑する白井空良(19日)=松本拓也撮影

 二人の交流はXゲームズ千葉大会がきっかけだった。白井は2022年から始まったXゲームズ千葉大会に毎年、出場。2023年には地元のプロ野球チーム・千葉ロッテマリーンズ戦の始球式も行ったことがあり、それが縁で交流が始まった。二人が初めてあいさつを交わしたときのこと。金髪に派手な服装、ざっくばらんな語り口の白井が見せた深々としたお辞儀や礼儀正しさに感動した神谷市長は、それ以来「フレンドリー」な交流を続けてきたという。

「俺はここしか見ていない」

 この日、控室で再会したふたり。東大卒で官僚出身の神谷市長と、オーバーサイズのシャツを着こなす白井。「対極」のように見える二人の会話はお互いにリスペクトを込めた穏やかなものだった。神谷市長は「不良っぽいと思われていたスケートボードの見方を変えた、時代を切り開いた人。気さくさと繊細さを持ち合わせながら日本を代表して世界で活躍している。本当に尊敬しています」と熱っぽく白井の魅力を語ると、「不良っぽさも含めてスケートボードの良いところ。いろんな人が応援してくれたから、今がある。自分ひとりではここまで来られていない。大会を開いてくれて、いろんな人が協力してくれていることに感謝しています」と白井も笑顔で感謝を述べた。

Xゲームズ千葉大会の開幕を前にリラックスした表情を見せる白井空良(19日)=松本拓也撮影

 Xゲームズ千葉大会はあす開幕する。神谷市長に優勝を約束した白井は、「金メダルしか考えていない。オリンピックは通過点でしかなくて、俺はここしか見ていなかった」と威勢良く語った。さらに、「Xゲームズという夢の舞台を日本でやれることに感謝している。スケボーを楽しんで、観客に魅力を伝えていけるような滑りをしたい」。世界のトップスケーターとしての自覚を胸に演技することを市長に誓った。

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