バスケ日本代表・河村勇輝が合意した「エグジビット10」 契約とは? NBAでの活躍はどれくらい期待できる? スポーツライターが解説
モデル・タレントとして活躍するユージと、フリーアナウンサーの吉田明世がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」(毎週月曜~金曜6:00~9:00)。7月12日(金)放送のコーナー「リポビタンD TREND NET」のテーマは「バスケットボール男子日本代表・河村勇輝選手にフォーカス!」。スポーツライターの宮地陽子さんに解説していただきました。
◆河村勇輝選手とはどんな選手?
パリ五輪の日本代表で、日本のプロバスケットボールリーグ「B.LEAGUE」のプロバスケットボールチーム「横浜ビー・コルセアーズ」に所属する現在23歳の河村勇輝選手。横浜ビー・コルセアーズではMVPや新人王、アシスト王などを獲得し、日本代表ではポイントガードとして大活躍しています。
7月9日(火)におこなわれた会見では、今秋、アメリカのプロバスケットボールリーグ「メンフィス・グリズリーズ」との「エグジビット10」(※)契約の合意に至ったことを報告。9月の契約締結後にアメリカに渡る予定です。その後、トレーニングキャンプに参加し、10月に開幕するNBAの新たなシーズンでの本契約を目指します。
(※)「エグジビット10」……直近の労使協定で導入された新しい契約形態。最低年俸、無保証での契約だが、レギュラーシーズン開幕までに、「NBA」と下部組織の「Gリーグ」チームを一定期間行き来できる「2WAY(ツーウェイ)契約」に切り替えることが可能。
*
ユージ:今回は、アメリカ・ロサンゼルスでNBAを取材されているスポーツライターの宮地陽子さんにお話を伺います。まずは改めて河村勇輝選手について教えていただけますでしょうか?
宮地:河村選手は身長が172cmとバスケ選手のなかでは小柄なほうですが、ポイントガード(※味方選手に指示を出したり、フリーの選手にパスを出してチャンスを作ったりと、さまざまな役割と技術が必要なポジション)をしていて、頭を使ったプレイとディフェンスが上手でキレのいいプレイをする選手です。相手にやられないような守り方が上手です。
東海大学から横浜ビー・コルセアーズに特別指定選手として大学の途中で入り、昨シーズンからプロになって今シーズンで2シーズンを終えたところです。日本代表のメンバーとしては去年のワールドカップでメンバー入りして、世界を相手にかなり活躍を見せており、そこでNBAから河村選手に問い合わせが来たという話も聞いています。
最近ではシュート力もつけてきたので、スピードがあるドライブインがオフェンスでは持ち味ですが、単なるドライブインではなくて外からのシュートも決められるようになったことで、オフェンスでもかなり有効な選手だと思います。
ユージ:河村選手は、高校生の頃には大人顔負けのプレイで注目されていて、さらに年を重ねるごとに課題を着実に克服していくその成長具合から、今後への期待も高まっています。
◆「エグジビット10」で本契約を目指す
吉田:そんな河村選手が今回、「メンフィス・グリズリーズ」と合意したのが、「エグジビット10」という契約です。
宮地:エグジビット10契約は、基本的に「トレーニングキャンプに参加できますよ」という契約です。トレーニングキャンプに参加させて、自分のところの傘下のマイナーリーグに送りたい選手に与えられる契約です。契約の形態から考えると、とても長い目で見てのことだとは思います。
エグジビット10契約とは、チーム側がその選手を評価した場合に、選手の合意を得なくてもチーム側が2WAY契約という「Gリーグ」と「NBA」を行き来できる契約に切り替えることができます。
それは、今のところ(河村選手にとって)最善な道だとは思います。まずは2WAY契約を目指し、傘下のマイナーリーグに行ったとしても、そこで実力を証明してステップアップしていく。そこから2WAY契約なり本契約を勝ち取っていく入口に立てたというところだと思います。
NBAは、入口に立つのが本当に大変なことで、そのトレーニングキャンプに参加できることは貴重な機会です。素晴らしいことだと思います。
ユージ:トレーニングキャンプに参加できること自体がすごいですが、そこでうまくアピールして、わずか3枠しかない2WAY契約を勝ち取ることが、河村選手にとっての最初の目標となります。見事2WAY契約を勝ち取ることができれば、憧れの「NBA」と、そのマイナーリーグにあたる「Gリーグ」とを行き来するところまで辿り着けるということですね。
さらに、そこで結果を残してチームの信頼を得ることができれば、晴れてNBA「メンフィス・グリズリーズ】と本契約を結ぶことができます。遠い道のりのように感じますが、渡邊雄太選手(B.LEAGUE・千葉ジェッツ)は、エグジビット10から2WAY、本契約と成り上がったお手本選手でもあります。すでに同じ道を切り開いている先輩が、同じ日本代表メンバーにいるというのも、心強いですよね。
◆パリ五輪での日本チームの活躍に期待!
吉田:そうしたなか、アメリカでの新たな挑戦の前に控えているのが、こちらも大きな舞台であるパリ・オリンピック! 現在のバスケットボール日本代表において、河村選手が期待されていることとは?
宮地:今までの強化試合の使われ方を見ると、河村選手はスターティング・ポイントガードだと思います。これは司令塔の役割ですが、八村選手(NBAロサンゼルス・レイカーズ)や渡邊選手、ジョシュ・ホーキンソン選手(B.LEAGUE・サンロッカーズ渋谷)など、そういった選手を使う役割となります。彼らをどう活かすかを考えて、プレイを組み立てるのが河村選手の一番の大きな役割ですね。
いま日本代表の目標として掲げているのはベスト8ですが、ベスト8に入るということはNBAから見られるチャンスが増えるのを意味しますので、ここで目標を達成することは本当にベストな道だと思います。
それは別として河村選手個人のプレイで考えると、河村選手らしい思い切りのいいアグレッシブなプレイを見せることで日本代表を引っ張っていく。そういう河村選手らしさを出すことで日本代表も強くなりますし、それがNBAやGMの目にも止まると思いますので、そういったプレイを見せることが一番いいと思います。
ユージ:日本代表の起点となり、要となる選手。河村勇輝の今後に注目です!
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7月12日(金)放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
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<番組概要>
番組名:ONE MORNING
放送日時:毎週月曜~金曜6:00~9:00
パーソナリティ:ユージ、吉田明世
◆河村勇輝選手とはどんな選手?
パリ五輪の日本代表で、日本のプロバスケットボールリーグ「B.LEAGUE」のプロバスケットボールチーム「横浜ビー・コルセアーズ」に所属する現在23歳の河村勇輝選手。横浜ビー・コルセアーズではMVPや新人王、アシスト王などを獲得し、日本代表ではポイントガードとして大活躍しています。
7月9日(火)におこなわれた会見では、今秋、アメリカのプロバスケットボールリーグ「メンフィス・グリズリーズ」との「エグジビット10」(※)契約の合意に至ったことを報告。9月の契約締結後にアメリカに渡る予定です。その後、トレーニングキャンプに参加し、10月に開幕するNBAの新たなシーズンでの本契約を目指します。
(※)「エグジビット10」……直近の労使協定で導入された新しい契約形態。最低年俸、無保証での契約だが、レギュラーシーズン開幕までに、「NBA」と下部組織の「Gリーグ」チームを一定期間行き来できる「2WAY(ツーウェイ)契約」に切り替えることが可能。
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ユージ:今回は、アメリカ・ロサンゼルスでNBAを取材されているスポーツライターの宮地陽子さんにお話を伺います。まずは改めて河村勇輝選手について教えていただけますでしょうか?
宮地:河村選手は身長が172cmとバスケ選手のなかでは小柄なほうですが、ポイントガード(※味方選手に指示を出したり、フリーの選手にパスを出してチャンスを作ったりと、さまざまな役割と技術が必要なポジション)をしていて、頭を使ったプレイとディフェンスが上手でキレのいいプレイをする選手です。相手にやられないような守り方が上手です。
東海大学から横浜ビー・コルセアーズに特別指定選手として大学の途中で入り、昨シーズンからプロになって今シーズンで2シーズンを終えたところです。日本代表のメンバーとしては去年のワールドカップでメンバー入りして、世界を相手にかなり活躍を見せており、そこでNBAから河村選手に問い合わせが来たという話も聞いています。
最近ではシュート力もつけてきたので、スピードがあるドライブインがオフェンスでは持ち味ですが、単なるドライブインではなくて外からのシュートも決められるようになったことで、オフェンスでもかなり有効な選手だと思います。
ユージ:河村選手は、高校生の頃には大人顔負けのプレイで注目されていて、さらに年を重ねるごとに課題を着実に克服していくその成長具合から、今後への期待も高まっています。
◆「エグジビット10」で本契約を目指す
吉田:そんな河村選手が今回、「メンフィス・グリズリーズ」と合意したのが、「エグジビット10」という契約です。
宮地:エグジビット10契約は、基本的に「トレーニングキャンプに参加できますよ」という契約です。トレーニングキャンプに参加させて、自分のところの傘下のマイナーリーグに送りたい選手に与えられる契約です。契約の形態から考えると、とても長い目で見てのことだとは思います。
エグジビット10契約とは、チーム側がその選手を評価した場合に、選手の合意を得なくてもチーム側が2WAY契約という「Gリーグ」と「NBA」を行き来できる契約に切り替えることができます。
それは、今のところ(河村選手にとって)最善な道だとは思います。まずは2WAY契約を目指し、傘下のマイナーリーグに行ったとしても、そこで実力を証明してステップアップしていく。そこから2WAY契約なり本契約を勝ち取っていく入口に立てたというところだと思います。
NBAは、入口に立つのが本当に大変なことで、そのトレーニングキャンプに参加できることは貴重な機会です。素晴らしいことだと思います。
ユージ:トレーニングキャンプに参加できること自体がすごいですが、そこでうまくアピールして、わずか3枠しかない2WAY契約を勝ち取ることが、河村選手にとっての最初の目標となります。見事2WAY契約を勝ち取ることができれば、憧れの「NBA」と、そのマイナーリーグにあたる「Gリーグ」とを行き来するところまで辿り着けるということですね。
さらに、そこで結果を残してチームの信頼を得ることができれば、晴れてNBA「メンフィス・グリズリーズ】と本契約を結ぶことができます。遠い道のりのように感じますが、渡邊雄太選手(B.LEAGUE・千葉ジェッツ)は、エグジビット10から2WAY、本契約と成り上がったお手本選手でもあります。すでに同じ道を切り開いている先輩が、同じ日本代表メンバーにいるというのも、心強いですよね。
◆パリ五輪での日本チームの活躍に期待!
吉田:そうしたなか、アメリカでの新たな挑戦の前に控えているのが、こちらも大きな舞台であるパリ・オリンピック! 現在のバスケットボール日本代表において、河村選手が期待されていることとは?
宮地:今までの強化試合の使われ方を見ると、河村選手はスターティング・ポイントガードだと思います。これは司令塔の役割ですが、八村選手(NBAロサンゼルス・レイカーズ)や渡邊選手、ジョシュ・ホーキンソン選手(B.LEAGUE・サンロッカーズ渋谷)など、そういった選手を使う役割となります。彼らをどう活かすかを考えて、プレイを組み立てるのが河村選手の一番の大きな役割ですね。
いま日本代表の目標として掲げているのはベスト8ですが、ベスト8に入るということはNBAから見られるチャンスが増えるのを意味しますので、ここで目標を達成することは本当にベストな道だと思います。
それは別として河村選手個人のプレイで考えると、河村選手らしい思い切りのいいアグレッシブなプレイを見せることで日本代表を引っ張っていく。そういう河村選手らしさを出すことで日本代表も強くなりますし、それがNBAやGMの目にも止まると思いますので、そういったプレイを見せることが一番いいと思います。
ユージ:日本代表の起点となり、要となる選手。河村勇輝の今後に注目です!
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7月12日(金)放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年7月20日(土) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:ONE MORNING
放送日時:毎週月曜~金曜6:00~9:00
パーソナリティ:ユージ、吉田明世
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/one/
07/18 20:00
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