阿部詩「すごく落ち込み前を向けない時期もあった」パリ五輪振り返る【服部真二賞・授賞式】
今夏のパリオリンピック™柔道柔道混合団体銀メダリストで、東京五輪では52キロ級で金メダルを獲得した阿部詩(24・パーク24)が世界に向けて挑戦している若い音楽家やアスリート、彼らの育成に努めているコーチ、そして発展と改革に挑むリーダーを顕彰する「服部真二賞」の授賞式に出席した。阿部詩には「服部真二賞(高いビジョンを持ち、音楽・スポーツの発展・改革に挑戦しつづけるリーター Young Leader)」が贈られた。
今回の受賞者選考に当たった服部真二理事長は「試合を見ていると、礼に始まり礼に終わるまで利他の精神、道の精神が垣間見える。相手をリスペクトする心を忘れずに、世界中の人々の心をつなぎ、一本勝ちで感動させてほしい。」と話し、阿部のさらなる活躍を期待した。
阿部は今夏に行われたパリ五輪で金メダルを有力視されていたが、2回戦で世界ランク1位のディヨラ・ケルディヨロワ(ウズベキスタン)に一本負けを喫した。試合後には、号泣する絶対女王の阿部に対し、会場から割れんばかりの「ウタコール」が送られたことが記憶に新しい。
阿部は「パリ五輪で兄(一二三)と2人で2連覇を目標にしていたが2回戦敗退という結果でした。すごく落ち込み前を向けない時期もあったが、みなさんの温かい言葉で前を向き、頑張ろうという気持ちになっている。服部真二賞を励みにいろいろなことに挑戦し、ロス五輪で必ず金メダルを獲りたいと思った」と4年後に向けて活躍を誓った。
【以下、受賞者一覧】
◆服部真二賞
高いビジョンを持ち、音楽・スポーツの発展・改革に挑戦し続けるリーダー Young Leader:
積極的な大戦スタイルで数々の国際大会にて優勝を飾り、高みを目指してたゆまぬ努力を続ける阿部詩さん(柔道選手)
◆服部真二 音楽賞
世界をめざし、挑戦しつづける若い音楽家 Rising Star:
国内の数々のコンクールにおいて最高賞を受貸し、今後世界にはたく実力を備える児玉隼人さん(トランペット奏者)
音楽家を支え、育成に尽くされているコーチ・エキスパート Inspiring Coach:
ミュージシャンとして日米ジャズの架け橋を担い、若い音楽家の育成に取り組んでいる大林武司さん(ジャズビアニスト、キーボーディスト、作編曲家)
◆服部真ニ スポーツ賞
アスリートを支え、育成に尽くされているコーチ・エキスパート Inspiring Coach:
ジュニア世代の指導に尽力し、女性アスリートの育成・強化とその指導法の研究に取り組んでいか清水花菜さん(新体操競技指導者)
◆服部真二 特別賞
優れた業績を残し、音楽・スポーツの普及振興に貢献している音楽家・アスリート
革新的な指導法で慶應義塾高等学校野球部を107年ぶりの優勝に導き、高校野球に新風を吹き込んだ森林貴彦さん(高校野球部監督)
■阿部詩(あべ・うた)
2000年7月14日生まれ、兵庫県出身。身長158㎝・52キロ級。パーク24所属。
兄の一二三とは東京五輪で史上初兄妹同日優勝を果たした。昨年6月に柔道史上最速でパリ五輪柔道女子52キロ代表内定。パリ五輪では金メダルを有力視されていたが、2回戦で敗退。混合団体では銀メダルを獲得した。
11/01 17:43
TBS NEWS DIG