スキー花形種目“アルペン”W杯開幕!日本開催を除く史上初の4選手出場でコーチも太鼓判 ミラノ・コルティナ五輪に期待

2026年のミラノ・コルティナ五輪を翌シーズンに控えた今冬、スキー・アルペン男子日本代表はワールドカップに大回転種目で日本開催以外では史上初となる4名が出場。さらに回転種目でも同様に4人の出場枠を獲得して歴史的なシーズンが27日にオーストリアのセルデンで開幕する。

オリンピックの選考も始まる今シーズン。元日本代表で男子のチーフコーチを務める河野恭介氏(33)は「選考基準に掲げられているワールドカップ及び、今季開催される世界選手権での15位以内、そして30位以内2回がそれぞれの選手にとって大きな目標となります」と話す。

欧州ではスキー競技のなかでも人気のある“アルペン”。日本では1956年のコルティナ五輪(イタリア)以来、メダルから遠ざかっている。奇しくも次回の冬季五輪は同じイタリアで開催されるため70年ぶりのメダル獲得に期待が高まる。

河野チーフコーチ(写真中央)

河野チーフコーチは「スイス、オーストリアなどの強豪国に比べると日本は氷河スキー場がなく、予算も10分の1以下で環境面でも経済面でも大きく不利な状況です」と日本代表の現状を説明。それでも「(選手は)必死にトレーニングに取り組み、世界との差は徐々に埋まりつつあります。ワールドカップ、世界選手権。オリンピックなどビッグイベントでの日本選手のジャイアントキリングにご期待ください!」と選手への信頼が厚い。

加藤選手

日本のエースは昨年のワールドカップ大回転にて史上最高位タイの20位を記録した加藤聖五(26、野沢温泉スキークラブ)。感性鋭くスムーズなターンを持ち味とし、回転でも自身初のトップ30入りを果たした。

加藤選手:
1レース1レース大事にワールドカップポイントをしっかり獲得していきたいと思います。また、世界選手権ではオリンピックの選考基準のひとつになっている15位以内を目標に頑張りたいと思います。
日本のスキー界、ウィンター業界を少しでも沸かせられるように、結果をしっかり出したいと思います。応援よろしくお願いします。

小山陽選手

チームで唯一オリンピックを経験している小山陽平(26、ベネフィット・ワンスキークラブ)。2021年に回転でワールドカップ8位、ひたむきに努力を続け、技術力の高さは世界トップレベル。2022年北京オリンピック代表。

小山陽選手:
目の前の一戦一戦に全力を尽くして挑むことができれば、必ず結果はついてくると思っています。
ここ数年、ワールドカップを中心にシーズンを過ごしてきているので、その経験を活かして結果に結びつけたいと思います。

昨年ヨーロッパのレースで好成績を残し今季代表に返り咲いた若月隼太(25、ホテルロッソSC)。ワールドカップで結果を残すための実績は十分、今シーズンへの期待大。

若月選手:
冬季オリンピック前年シーズンとなる今シーズンは、ワールドカップでの結果にこだわって戦います。そして世界選手権ではオリンピックを見据えたレースとして実践の経験を積み、オリンピックの舞台で戦う糧にしていきます。
感謝の気持ちを胸にシーズンを滑り切りたいと思います。

小山敬選手

昨年大陸別選手権で回転種目総合優勝を勝ち取り、ワールドカップの個人出場権利を手にした小山敬之(22、いずみ産業株式会社SC)。小山陽選手の弟でまだ荒削りだが爆発力がありポテンシャルが高い。

小山敬選手:
自分の武器である攻めの姿勢を全面にだして戦っていきたいと思います。
幼い頃からの夢であるオリンピック出場を掴み取るべく、まずはワールドカップSL初戦、フィンランドのレビに向けて良いスタートを切れるよう日々のトレーニングを真摯に取り組んでいきますので、応援よろしくお願いいたします。

佐藤選手

昨年大陸別選手権の大回転種目で、悲願のワールドカップ出場権利を手にした佐藤慎太郎(27、株式会社置環)。チーム最年長にしてルーキーイヤーの今年は覚悟をもって臨む。

佐藤選手:
今シーズンは、ワールドカップに初めて挑戦するシーズンとなります。27歳にして、やっと掴んだチャンスを活かし、もっともっと力をつけたいと思っています。
ヨーロッパの強豪選手たちに揉まれる中で、ワールドカップやオリンピックなどの世界の舞台は出場する場所ではなく、結果を出す場所だという思いを強くしています。
まだまだ、自分のパフォーマンスには課題が多いので、この課題を克服して、応援してくださる皆様と共にさらに上のステージに駆け上がりたいです。
 

チーム最年少20歳の片山龍馬(東海大)。2024年Far East Cupで総合優勝を果たした次世代のエース。

片山選手:
今年からワールドカップ初参戦のシーズンですがシードに入れるように練習から自分の滑りを改善して2本目に残りワールドカップポイントを獲得することを目標にしています。1レースごとに経験値を得て来年のシーズンにも活かせるように今シーズン戦い抜きたいと思います。

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