岩井姉妹がツアー史上7回目の開催地出身者によるワンツー達成! 昨年北海道で達成された地元ワンツーは誰と誰だった?

岩井千怜の優勝で幕を閉じた「樋口久子 三菱電機レディス」。ワンツーフィニッシュを果たした岩井姉妹だけでなく、ベストアマを獲得した清水心結も開催地である埼玉県出身だった。

ベストアマの清水心結も埼玉県出身

 埼玉県の武蔵丘ゴルフコースで開催された「樋口久子 三菱電機レディス」は埼玉県出身の岩井千怜が優勝し、双子の姉・明愛が2位タイに入った。26位タイでベストアマを獲得した清水心結も埼玉県出身。1、2位とベストアマを開催都道府県出身選手が占めたのは女子ツアー史上初だ。

 岩井姉妹の自宅から大会会場の武蔵丘GCまでは車で30分ほどだという。ギャラリーの中には知人が大勢おり、岩井姉妹への声援はひと際大きかった。そんな“ホーム”の雰囲気にも後押しされ、1打差の単独首位で最終日を迎えていた千怜が逃げ切って通算7勝目。初めての地元優勝を成し遂げた。

地元埼玉で優勝を飾った岩井千怜

地元埼玉で優勝を飾った岩井千怜

 最終組の2組前でプレーした明愛も最終日ベストスコアの66を叩き出すチャージで地元ギャラリーを沸かせ、吉田優利と並ぶ2打差2位までジャンプアップ。昨年の「RKB×三井松島レディス」(岩井姉妹と山下美夢有によるプレーオフで千怜が優勝)以来2回目の姉妹ワンツーフィニッシュとなった。

 大会開催都道府県出身選手によるワンツーフィニッシュ(2位が複数いる場合はその中の1人が該当すればワンツーフィニッシュとする)は昨年の「ミネベアミツミレディス北海道新聞カップ」(北海道出身の小祝さくら優勝、菊地絵理香2位タイ)以来、通算7回目という珍しいことである。今回はそれに加えてベストアマに輝いた高校1年生の清水心結までもが埼玉県出身だった。これは女子ツアーで前例のない出来事だ。

 清水はさいたま市内の中学校在学中に「関東ジュニア」や「関東中学選手権」などを制した実績を持つ。現在は代々木高校の1年生。大会週の月曜日に開催された主催者推薦選考会を通過して出場権をつかんだ。

 清水にとって初めてツアー競技だったにもかかわらず、初日にいきなり5アンダー、67をマークして4位タイ発進。2日目も70にまとめて9位タイにつけていた。最終日は73と苦戦したが岡山県の作陽学園高校2年・中嶋月葉を1打抑え、26位タイでベストアマを獲得したのである。

大会の冠である樋口久子も埼玉県出身

 埼玉県開催で地元のプロが優勝争いをして、さらに地元の選手がベストアマという、まさに埼玉祭りとなった「樋口久子 三菱電機レディス」だが、そもそも大会名にもなっている樋口久子自身が埼玉県出身で、冠となる前からこの大会との縁が深い存在なのである。

「樋口久子 三菱電機レディス」の歴史をさかのぼれば第1回大会は1983年に開催されている。当時の大会名は「紀文レディース」。会場は埼玉県の嵐山カントリークラブだった。その第1回大会の優勝者が地元出身の樋口だったのである。翌年の第2回大会も樋口が優勝。そして1997年、「紀文レディース」はこの年、日本女子プロゴルフ協会会長に就任した樋口の名を大会名に冠して「樋口久子・紀文クラシック」となる。女子で初めて選手名を冠した大会だった。

 この年の会場は奈良県の万壽ゴルククラブ。樋口が米国でプレーしていた時の仲間であるキャシー・ウィットワース(米国)らレジェンドも参戦した華やかな大会となり、優勝したのは最盛期を迎える前のアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)だった。

 その後、大会名は変遷しながらも「樋口久子」の名は受け継がれて現在に至っている。開催地は他県になったこともあるが、基本的には埼玉県である。

 今回は5位タイに入った小林夢果も埼玉県出身。地元のファンにとっては最高の3日間となったのではないだろうか。

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