吉本ひかるのトップ10入りを呼び込んだスイング軌道の修正点とは? 地元開催のTOTOジャパンクラシックへ弾み

国内女子ツアー「樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント」最終日、岩井千怜が通算16アンダーで今季3勝目、ツアー通算7勝目を飾った。2打差の通算14アンダー、2位に岩井明愛と吉田優利。吉本ひかるは通算10アンダーで8位となった。

「TOTO」会場の瀬田GC北Cとは相性が悪い!?

◆国内女子プロゴルフ

樋口久子 三菱電機レディス 10月25~27日 武蔵丘ゴルフコース(埼玉県) 6650ヤード・パー72

 黄金世代の吉本ひかるが、三菱電機レディス最終日に「67」をマークして通算10アンダーの8位でフィニッシュした。

「パッティングでボールと目標を結んだラインに対して、目線が被り気味だったのでそこを修正したのがよかったです」と振り返る。初日は31パット、2日目は32パットとグリーン上に苦しんだが、最終日は29パットとようやく狙ったところへボールを転がすことができた。

 今大会で今季のトップテン入りは8回目となったが、前週の「マスターズGCレディース」では今季4度目の予選落ちを喫していた。しかし、ただでは転ばないのが今年の吉本。週末を利用して自分のスイングを見直した結果、右手のグリップが少し上から被せるように握っていたことが判明した。

パットとスイングの修正が功を奏し8度目のトップ10入りを果たした吉本ひかる

パットとスイングの修正が功を奏し8度目のトップ10入りを果たした吉本ひかる

「ほんの少しなんですけど、右手をクラブの上から握ることによって、スイング軌道がアウトサイドインになっていたんだと思います」

 そこで、クラブのやや下から右手を添えるように握るグリップに変更。わずかな違いではあるが、その影響でカットに打つことがなくなった。元々曲がるタイプではないだけに、原因さえ分かれば、ショットの精度を取り戻すことは難しくない。初日と2日目でフェアウェイを外したのはわずかに3回だ。

 ショットとパットが安定してきたとなれば、狙うは今季初優勝のみ。次戦は2年ぶりに吉本の地元・滋賀県で開催されるTOTOジャパンクラシックだ。「地元とはいっても同じ県内なだけで、自宅から通える距離でもないんですよ」と弱気な答え。聞けば、開催コースの瀬田ゴルフコース北コースとの相性はよくないとのこと。確かにこれまで同コースで開催した今大会では、69位タイと71位タイと奮わない。

 それでもプラス材料はある。例年だとシーズン終盤になるとどうしても疲れが出てくる。そのため、「早くシーズンが終わらないかな」とつい思ってしまうが、今年に関しては、トレーニングの成果もあり、それほど疲れが残っていないという。

「なんだろう、今年はまだまだ試合をやりたいという気持ですね」と笑う。同大会は4日間だけに体力勝負となる面もある。今年の自分がどこまで成長したのかを見るうえでも、試金石の1週間となりそうだ。

吉本 ひかる(よしもと・ひかる)

1999年2月25日生まれ、滋賀県出身。1998年度生まれの“黄金世代”の一人。2017年プロテストに合格し、18年からツアーに本格参戦。翌19年には2度の2位などトップ10を8回記録し、賞金ランキング28位でシード権を獲得。その後、低迷が続いたが、23年「明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント」で黄金世代12人目となる初優勝を遂げた。マイナビ所属。

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