「インスタに勝てないと書かれ悔しいなと思っていた」 プロ5年目・安田祐香が見せた“反骨心”と涙の初優勝

国内女子ゴルフ「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」最終日。プロ5年目の安田祐香(やすだ・ゆうか)が初優勝を果たした。

「今日は強気でプレー」

◆国内女子プロゴルフ

ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン 9月20~22日 利府ゴルフ倶楽部(宮城県) 6638ヤード・パー72

 安田祐香が9ホールで行われた最終ラウンドで4バーディー、2ボギーの34で回り、通算9アンダーで初優勝を手にした。プロ5年目にして手にした悲願の初勝利。

プロ5年目で悲願の初優勝を飾った安田祐香 写真:Getty Images

プロ5年目で悲願の初優勝を飾った安田祐香 写真:Getty Images

 10番からスタートし、11番、13番をバーディーのあとに中断を挟み、明けた15番でボギー。

「いつもだったら、ミスしたらどうしようというネガティブな気持ちになりがちだけれど、今日は強気でプレーしようと思った。一つ一つ、集中して戦うことができた」。成長ぶりを見せつけたのは、16、17番の連続バーディー。ここで後続に4打差をつけて優勝を手繰り寄せた。

 優勝インタビューでは泣かないと思っていたが、泣いた。「言葉に表現することは難しい」という悔しさが胸に込み上げた。

「去年のフジサンケイレディスでは最後に崩して2位タイでしたが、今年は最終日が初めて。緊張するのかなと思ったけれど、今までと違う戦い方ができた。インスタのコメントで勝てないとか書かれて、悔しいなと思っていて……。それががんばる元になるんですけれど、優勝するとこれまでの苦労とか悔しい思いが込み上げてきて、涙が出ました」

 いつか結果で見返してやるという“反骨心”も優勝の原動力となった。

同世代との比較は気にならず

 アマチュア時代から注目の選手だった。2017年、16歳の時に「日本女子アマチュア選手権」を制し、プロ入り後は「すぐに勝てる」と期待された。だが、2000年度生まれの同世代である古江彩佳、西村優菜、吉田優利は先に国内ツアーで優勝し、すでに米ツアーに主戦場を移している。

 常に比べられる対象の安田だが、それを嫌と思ったことはなかったという。

「いつもすごく刺激をもらえるので、自分がダメだとしても活躍しているとうれしいし、アメリカに行ってさびしいけれど、ずっと日本でやってきた選手が通用するのはすごく誇らしい」

 自分のやることに集中した。特に体力強化と下半身のトレーニングに注力。その結果、「やっぱり優勝できないとか、体力がないとか言われたりしていましたが、自分では1年1年、成長していると感じています。4日目まで疲れなくなったり、暑いなかでもスコアを伸ばしたりできることは増えていると思います」と自信をつけた。

 苦心のすえ手に入れた涙の初優勝。「常に上位に入れる選手になることが目標」と、一つひとつ着実に階段を上っていく。

安田 祐香(やすだ・ゆうか)

2000年12月24日生まれ、兵庫県出身。2017年に16歳で「日本女子アマ」を制覇、19年には「オーガスタナショナル女子アマ」で3位に入るなど、アマチュアの実績は世代トップクラス。24年「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」でプロ5年目にして悲願の初優勝を飾った。NEC所属。

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