日本選手とそれ以外の選手の扱いが露骨すぎない!? 海外ツアーのゴルフ中継で感じた違和感とは?

国内女子ツアーを中心にインターネット中継が定着してきたゴルフ番組。やはり、ゴルフを始めとしたスポーツ中継は「ライブ」が一番なのでしょうか。

日本選手の活躍に関わらずゴルフトーナメントは面白い

「アムンディ エビアン選手権」で古江彩佳選手が優勝するシーンを見たくて、久しぶりにBS放送のWOWOWに加入しました。加入したのはおそらく2017年9月以来です。

 前回加入したのは当時9月に開催されていた「エビアン選手権」で引退すると発表した宮里藍選手のプレーが見たかったからです。宮里選手は筆者がゴルフ雑誌に在籍していた時代に取材でお世話になったことがあり、思い入れの強い女子プロゴルファーでした。最後の雄姿を見届けるため加入しました。

ネット中継の定着により、ゴルフのテレビ観戦方法も多様化してきている 写真:PIXTA

ネット中継の定着により、ゴルフのテレビ観戦方法も多様化してきている 写真:PIXTA

 ただし、2017年10月には解約しました。当時の月額視聴料金がいくらだったかは覚えていないのですが、今回の月額視聴料金は2300円(税込み2530円)でした。筆者はLPGAツアー(米国女子ゴルフツアー)を毎週見るわけではないので、その金額を払い続けるのは少し高いと感じたからです。

 筆者はPGAツアー(米国男子ゴルフツアー)を見るためにCS放送のゴルフネットワークと契約しています。さらに近年はインターネット配信のDAZN(ダゾーン)も契約しているので、これ以上増やすのはなかなかの負担になります。

 とはいえ、せっかく月額視聴料金を支払ったのだから1カ月間は見てみようと、翌週の「Danaオープン for チルドレン」も見たのですが、普段見ているゴルフネットワークやDAZNと比べて強烈な違和感を覚えました。

 違和感の正体が何なのか考えてみたところ、「日本選手とそれ以外の選手の扱いが露骨すぎるから」という結論に至りました。

 ゴルフネットワークも日本人選手を重点的に映すことはありますが、ここまで露骨ではありません。なんでこんな放送スタイルになっているのか原因を探っていたら、株主構成が全然違うことに気づきました。

 ゴルフネットワークの企業情報を見ると、主要株主はJCOM株式会社(89.40%)、住友ゴム工業株式会社(2.65%)、ブリヂストンスポーツ株式会社(2.65%)、ミズノ株式会社(2.65%)、株式会社ダンロップスポーツエンタープライズ(2.65%)となっています。

 一方、WOWOWのIR情報を見ると、2024年3月31日現在の株主は株式会社フジ・メディア・ホールディングス」(21.02%)、株式会社TBSホールディングス(16.11%)、日本テレビ放送網株式会社(9.28%)、(中略)株式会社テレビ朝日ホールディングス(1.22%)、株式会社テレビ東京(1.22%)。要するに民放地上波連合軍なのです。

ゴルフトーナメントの視聴者は筋書きのないドラマが見たい

 日本のトーナメント中継は長らく民放地上波による録画中継でした。当時はそれ以外に見る方法がありませんでしたから、仕方なく見ていました。

 しかしゴルフ雑誌の編集部で仕事をしていると、14~15時に優勝者が決まった時点で、現地で取材している担当記者から「この選手が優勝したのでこういう原稿を書いて送る」という連絡が入ります。その連絡を受けた後に録画中継が始まり、「いったい誰が優勝するのでしょうか?」などと結果が分かっていることに対して筋書きを作るような放送しているので、いつも白々しい気持ちで眺めていました。

 やがてインターネットが普及し、X(旧ツイッター)やフェイスブックで優勝者を誰でも発信できるようになっても、地上波はその放送スタイルを続けました。不思議だったのはゴルフネットワークで放送している米国開催のPGAツアーが生中継だったのに、地上波で放送している日本開催の国内ツアーが録画中継だったことです。

 その後、スポーツライブ配信の世界的な大手企業のDAZNの日本進出や、これに追随するインターネット配信会社が林立したことでゴルフトーナメントもようやく生中継の時代が訪れました。ところがWOWOWの放送は日本人選手の録画中継がメインで、その合間に生中継をはさんでいるだけのような気がしました。今の時代に「これでいいのかな」と思わずにはいられませんでした。

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