「情けなかった」 堀琴音は逆転を許し無念の終戦… 原英莉花は地元大会で今季ベストパフォーマンスと復活の第一歩

国内女子ツアー「資生堂レディス」最終日、単独首位で出た堀琴音(ほり・ことね)は桑木志帆(くわき・しほ)に逆転を許し、通算9アンダーの2位でフィニッシュ。この日スコアを3つ伸ばし、通算8アンダーをマークした原英莉花(はら・えりか)は今季最高の3位で地元決戦を終えた。

堀琴音「もうちょっとどうにかできた」

◆国内女子プロゴルフ<資生堂レディスオープン 6月27~30日 戸塚カントリー倶楽部(神奈川県) 6697ヤード・パー72>

 国内女子ツアー「資生堂レディス」の最終ラウンド。

 首位と1打差の2位タイから出た桑木志帆が、通算11アンダーをマークして逆転優勝。プレーオフで敗れた昨年大会のリベンジを成し遂げ、待望の初勝利を手にした。

共に今季最高位フィニッシュとなった2位の堀琴音(左)と3位の原英莉花(右) 写真:Getty Images

 その桑木に2打及ばず自身2年ぶりの優勝を逃した堀琴音。初日から「67」「68」と順調にスコアを伸ばしていたが、この日は3バーディー、3ボギーの「72」と波に乗り切れず涙をのんだ。

「情けなかったですね。風を間違ってミスしたりアイアンの縦距離も合わなかった。もうちょっとどうにかできた一日だったと思います」とその表情からも悔しさが伝わってくる。

 ただ、昨季から思うような結果が出せずにいた堀にとって“光明”が見えた試合でもあった。

「正直悔しいですけど、昨年の自分を見たら優勝争いなんかとんでもない感じ。予選を通るのが精いっぱいでシードも落としてしまって……でも、今回は最後の最後まで優勝争いができた。3勝目“したい”じゃなく、3勝目“できる”と思えるようになりました」と自信を取り戻した試合となったようだ。

 同組で回った桑木については「素晴らしかった。球も飛ぶしパッティングも上手。隙がなかった」と称賛。今回は主役を譲ったものの、復活の3勝目を手にする日も近いだろう。

今季自己ベストの原英莉花「自分の中では合格をあげたい」

 地元・横浜開催となった今大会で、連日多くのギャラリーを引き連れたのが原英莉花

 前日に「66」をマークして首位と4打差の8位タイから出た最終日、4バーディー、1ボギーの「69」でさらにスコアを伸ばし通算8アンダーでフィニッシュ。首位とは3打差がついたものの、地元大会で今季自己ベストの3位に入った。

 この日はティーショットがなかなか安定しなかったが、「自分でもビックリした」と9番では22メートルの超ロングパットを、最終18番では7メートルを沈めるなどアプローチを含めたショートゲームを武器にスコアを組み立てた。

 これで今季2度目のトップ10入り。調子は確実に上向いている。

「縦距離が安定してきたので、アイアンショットで狙っていきやすい。ボギーが少ないのは調子が上がってきている証拠だと思う」と自らに期待を込めた。

「自分の中では合格をあげたい」ときょうの戦いを振り返ったが、ファンが待つのはやはり優勝だ。

「届かない位置ではないと思っていましたが、一打一打に集中してその結果がそうだったらいい」と話すにとどまるも、試合中もリーダーボードを確認していたと言うように、逆転での優勝も頭の中にはあったに違いない。

 次の目標は当然、昨年「日本女子オープン」以来の勝利。地元優勝はお預けとなったが、横浜の地で得た自信と大歓声を力に変えて、ツアー6勝目を目指す。

堀 琴音(ほり・ことね)

1996年3月3日生まれ、徳島県出身。姉は女子プロゴルファーの堀奈津佳。2014年にプロテストに合格。15年にJLPGA新人賞を受賞し、21年の「ニッポンハムレディスクラシック」でツアー初勝利を飾った。22年「Tポイント×ENEOS」でツアー2勝目を挙げた。ダイセル所属。

原 英莉花(はら・えりか)

1999年2月15日生まれ、神奈川県出身。2018年プロテスト合格。“黄金世代”の一人として18年から早くもシード獲得し、翌19年には初優勝。20年には日本女子オープン、JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップと公式戦2冠を達成した。23年はヘルニア手術を乗り越え、日本女子オープンを2度目の制覇。NIPPON EXPRESSホールディングス所属。

ジャンルで探す